特集です。春、多くの子どもたちが保育園・幼稚園に入園しましたが、犬にも保育園があるのをご存じでしょうか。飼い主の悩みにも対応してくれるペットサロンで、以前、「わが家のあいどる」で紹介した犬が5日間の「園生活」を送りました。悩みは解消したのでしょうか。
ちぃちゃんの飼い主・清水則子さん：
「おすわり、まだダメ！出たい、出たい」
車から飛び出したのは千曲市の清水則子さんの愛犬「力石（ちからいし）」。愛称は「ちぃちゃん」です。
「わが家のあいどる」に登場したのは2023年11月。
ゲストハウスの看板犬として、愛嬌をふりまいていました。「地域で愛される犬に」と、名前は地名からとりました。
4月4日―。
さて、この日は「犬の保育園」に初登園です。
清水則子さん：
「いっぱいいるぞ、ちぃちゃん」
15年前から営業する須坂市の「犬処ケンケン」。日帰りから1年以上の長期間まで愛犬を預かるペットサロンです。
ちいちゃんも中へ。
スタッフ：
「さあどうしよう、ちょっと困ってる」
慣れない環境に戸惑い気味でしたがー。
「ワンワンワン」
実は、清水さん、この「鳴き声」に悩んでここに来ました。
「ちぃちゃん」は清水さんの後を追って大きな声で鳴き続けるそうでー。
清水則子さん：
「ちぃのいる所からちょっと離れると、駐車場に物を取りに行くだけで鳴く。（私が）どこか行くと思うと連れていってほしいから鳴く」
生後2カ月で知り合いから譲渡され、今は1歳。
「きたきたきた！」
甘えん坊で、遊んでほしくてたまりません。
5カ月前、「わが家のあいどる」で紹介したときも、「誰かこないかな～」と通りを眺めていました。
清水則子さん：
「今まで通行人には鳴かなかったのが、鳴くようになっちゃったんです。（周辺に）住宅もあるし、お店もあるし、朝早から夜遅くまで働いてる方いるから睡眠の妨げになってもいけないなと思うんだけど、もう怒るのもストレスになっちゃって」
そこで清水さん、「ケンケン」の評判を聞き、5日間、預けてみることにしました。
室内にケージはありません。ドッグトレーナーの資格を持つスタッフが見守る中、とにかく自由に遊びます。
犬処ケンケン・北森ちか代表：
「“犬の社会性”を身に付けるための犬処ケンケン。1日来ただけで、皆さん（愛犬が）何か変わったっておっしゃる」
仲間との触れ合いを通じて自然と「ルール」が身に付くということで、鳴き声やかみ癖などに悩む飼い主が預けに来ることも多いそうです。
料金は、3時間までの預かりで1000円から。（※トレーニングは応相談）
さて、「ちぃちゃん」は、小さい仲間を追いかけまわしていましたがー。
小さい犬：
「キャンキャン」
しつこすぎて怒られてしまいました。
ちぃちゃん：
「ワンワンワン」
大型犬には威嚇。
でも、相手にされません。
さらにー。
犬処ケンケン・北森ちか代表：
「（鳴いても）無視してトリミングしている。横でほえ通しても何もやってもらえない。ほえても何もない、何も起きないことがわかればいい」
滞在中はごはんやお昼寝なども、犬同士の相性をみながら集団生活の中で行います。
最終日の5日目。
シャンプーでさっぱりした「ちいちゃん」。おとなしく寝そべってトリミングもしてもらいました。
4月9日―。
家に戻った「ちぃちゃん」を訪ねてみるとー。
カメラマン：
「鳴かないっすね」
変化に、清水さんも驚いていました。
ちぃちゃんの飼い主・清水則子さん：
「変わったのかな、でも変わったと思う」
清水さんがいなくなっても、家の前を人が歩いても鳴きません。
知り合いはー。
知り合い：
「おりこうになったな、お前」
「（いつもは）車で通っただけで友だちを見つけた！みたいな感じで（鳴く）、結構うるさいですね。何があったんでしょうね、何があったんでしょうか」
鳴かなくなった「ちぃちゃん」に驚く人たち。
「ちぃちゃん」がいるゲストハウスの縁側には、子どもからお年寄りまで地域のさまざまな人たちが集まってきます。
「保育園」に預けていた間、清水さんは、うれしい声を掛けられました。
清水則子さん：
「近所の小学生、おじいちゃんおばあちゃんが『ちぃちゃんは？』『どこ行ったの？』って」
「ちぃちゃんの帰り、みんな待ってたよ。『ちぃちゃん、どこ行った？』ってみんな聞いてくれたよ」
酒屋さん：
「ちぃちゃん、おかえり」
5日間の「園生活」で成長した「ちぃちゃん」。清水さんにとっても日ごろのしつけや接し方を見直す良い機会になりました。
ちぃちゃんの飼い主・清水則子さん：
「（飼い主も）犬との距離感をちゃんと持たなきゃいけない、甘やかしてばっかりじゃいけないし。これを忘れないで定期的に（保育園に）行きたい」
