円安に歯止めがかからない。

円相場は、節目となる1ドル = 155円を突破し、約34年ぶりとなる円安ドル高水準を更新した。

為替のディーリングルームから、フジテレビ経済部・山下あす奈記者が中継でお伝えする。

一時、155円台半ばまで円安が進んだ円相場は、25日午前11時半現在は、155円40銭台で取引されている。

政府の防衛ラインとみられてきた「155円」突破へと円安を加速させたのは、日米の金利差。

アメリカで経済の底堅さが示される指標が出るたびに、利下げ開始が遅れるとの見方が広がり、長期金利は高止まりが続いている。

一方で日本では、日銀がマイナス金利を解除したあとも利上げを急がない方針を示していて、日米の金利差は広がったまま。

日銀は25日から2日間の日程で金融政策を決める会合を開くが、市場関係者は、内容次第でさらに円安が加速する可能性を指摘している。

政府による円買いへの警戒感がくすぶる中、さらなる円安が進むのか、緊張感を持った取引が続いている。

155円台に入った円相場と為替介入の可能性について、フジテレビ・智田解説副委員長が解説する。

警戒されている為替介入だが、前回一連の介入が行われた時とは、円安の進み具合に違いがある。

2022年9月に円買い介入が行われた際には、1日で2円ほど円安が進んだのに対し、今回の155円突破の場面では、1日で20銭ほどの円安進行にとどまっている。

政府は、相場の変動が激しい局面で、最も有効に影響を及ぼせるタイミングとやり方を慎重に探っているとみられるが、簡単には手が出しにくい場面が続いているとみることができる。

一方、今回の円安は、植田総裁にとっても悩みの種。

利上げは急がず、ゆっくりと進めたい一方で、円安にも目配せしたい植田総裁から、「利上げ前倒し」をちらつかせる口先介入で円安進行をけん制しようという発言があるのかどうか、26日の会見内容も焦点となる。

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