2022年9月、当時3歳だった河本千奈ちゃんが5時間にわたりバスに置き去りにされ,
重度の熱中症で死亡しました。
この事件で認定こども園「川崎幼稚園」の当時の園長でバスを運転していた元園長（74）は車内の確認を怠ったとして、元クラス担任（48）は保護者への連絡を怠ったとして業務上過失致死の罪に問われています。
23日の初公判を傍聴しようと静岡地裁を訪れた人たちは…
傍聴に訪れた人：
そういう事故が起こるっていうのが、なんでかな？っていう
傍聴に訪れた人：
絶対こんなことはあってほしくない。孫がいるのですごくかわいそうだと思った
23日午前10時から始まった初公判で、2人はともに起訴内容を認めました。
続く冒頭陳述で検察側は「担任の被告は子供が降りたかどうかの確認は、補助員の仕事だと思い込んでいた」「バスのドライブレコーダーの記録から、他の園児が降りたあと千奈ちゃんが声を発したことに元園長は気付かず、カギを閉めてバスを離れた」などと指摘しました。
被告人質問では、弁護側から千奈ちゃんに対する思いについて問われた元園長が謝罪の言葉を口にしました。
元園長：
千奈ちゃんを失わせてしまったことを両親に謝罪します。すべて私の責任だと思っています
また、23日の裁判では千奈ちゃんの遺族が被害者参加制度を利用して元園長に質問しました。
千奈ちゃんの父親：
バスの中で1人で亡くなっていた千奈の気持ちを考えたことはありますか？
元園長：
はい
千奈ちゃんの父親：
どういう気持ちだったと思いますか？
元園長：
高温の中で苦しい思いをしていたんだなと
また、事件のあと元園長が責任を取って「廃園にする」と遺族に約束したにも関わらず、廃園されていないことに千奈ちゃんの父親が問いただすと…。
元園長：
（廃園については）私の言葉からは言えません
千奈ちゃん父親：
廃園が千奈や私たちへの償いだと思いませんか？
元園長：
申し訳ございません。廃園に関しては言えません
裁判が終わると、元園長の被告はカメラを避けるようにして裁判所をあとにしました。
裁判は次回は5月15日に結審する予定ですが、千奈ちゃんの父親は「実刑を望んでいるが、難しいことはわかっている。判決に期待しすぎないようにしている」とコメントしています。
