【キャスター】
データをもとに佐賀を深堀りする「数字で見る佐賀」のコーナーです。
担当は川野アナウンサーです。

【川野アナウンサー】
よろしくお願いします。
今回は「飲酒で赤くなる人はコロナに強い?」というテーマでお伝えします。
まずはこちらをご覧ください。

【佐賀大学医学部 松本明子准教授】
「お酒を飲んで顔が赤くなる体質を持っている方と持っていない方で、新型コロナにかかりやすいかどうかリスクが違う」

「酒で顔が赤くなる人はコロナに強い」。
これは、佐賀大学の研究チームが3月発表したものです。
研究チームは去年、インターネットでコロナや飲酒についてのアンケートを行い、約800人から回答を得ました。
その結果、2021年8月までの期間で、酒で顔が赤くなる人は感染リスクが約5分の1にとどまっていたということです。

酒で顔が赤くなる体質は東アジア特有のもので、「アジアンフラッシュ体質」と呼ばれます。
松本明子准教授は、この体質を20年以上研究してきました。

【佐賀大学医学部 松本明子准教授】
「4割以上いると思う。日本では。だいたい10人いたら4〜5人はアジアンフラッシュ体質。それぐらいの計算」

【川野アナウンサー】
今回の研究結果は、SNSでも大きな反響を呼んでいますが…お2人はどう思いますか?

【川野】
県民にも率直な意見を聞いてきました。

【顔が赤くなる】
Q.酒を飲んで顔が赤くなる人はコロナにかかりにくい説がある
「確かにコロナにかかりませんでした…かかってません。家族はかかったんですが私だけかかっていない。インフルエンザもかかっていない。ちょっとおかしいのかな…とみんなから思われていた」

【顔が赤くなる】
「僕は量を飲むとすぐ赤くなる。でも僕もコロナになりました。怒られるかもしれないけど、あまり関係ないんじゃないかと」

一方、顔が赤くなる人からは「コロナにかかったが“1回だけ”だった」「軽症だった」との声も聞かれました。

【顔が赤くなる】
「自分は1回、去年の5月ごろにコロナにかかった。逆に1回だけ。親も顔が赤くなる家系。親も1回だけかかったぐらい」

【川野アナウンサー】
実際、今回の発表がどれぐらい県民に当てはまっているのか?サガテレビアプリでもアンケートを行いました。
まず、酒を飲むと顔が赤くなるかどうか?「赤くなる」人が63%、「赤くならない」人が34%となりました。
このうち、「赤くならない人」のコロナの陽性率は…全体の45%となりました。

【キャスター】
…ということは、発表通りなら「赤くなる」人の陽性率は45%より下の数字になるということですね?

【川野】結果はこちらです。
「赤くなる」人のうち、コロナにかかった人の割合は39%。
大きく差がついたわけではありませんが、比較的“コロナに強い”という数字となりました。
全体的にはいろんな意見がありました。

「酒に弱い知り合いが何人も罹患していない」「体調や環境の影響が大きいと思う」「飲めない良いところがありうれしい」といった声もありました。

【キャスター】
そもそも、赤くなる体質の人がなぜコロナに強いという話になっているのでしょうか?

【川野アナウンサー】
まだはっきりとは分かっていませんが、遺伝子レベルで、病原体に対する体の殺菌作用や免疫の働きが強い可能性があるということです。

【キャスター】
コロナ以外のほかの感染症に対してどうなのか、というところも気になりますよね…

【川野アナウンサー】
佐賀大学の松本准教授は、今後の研究についてこのように話しています。

【佐賀大学医学部 松本明子准教授】
「どういうメカニズムでそういう体質の人が感染症に強いのかが分かったら、薬だったり予防薬だったり感染症対策の戦略に結びつくと思う。だからここでストップするのではなく、メカニズムを探っていきたい」

【川野アナウンサー】
お伝えしたのはこれからも解明が進む研究の内容で「酒で赤くなるとコロナに強い」と言い切れるわけではありませんが、感染症予防の一助になるよう今後に、期待したいと思います。

サガテレビ
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