中国電力が山口県上関町に計画する、使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設の可能性を探るボーリング調査が始まりました。

【毛利記者】
「中国電力の敷地の前には、ボーリング調査に反対する人たちおよそ20人が抗議しています」

中国電力によりますと、ボーリング調査は、23日午前10時過ぎから始まったということです。

【反対派の祝島島民】
「納得していない住民もいますし、周辺自治体の方から多くの反対の声というのも出ているのでですね、そこにもしっかりと目を向けてほしい」

23日午後には車が数台敷地内に入り、作業員とみられる人が資器材を運ぶモノレールに乗って移動する様子も見られました。
ボーリング調査が行われるのは上関原子力発電所建設のために取得した敷地の中で、中国電力は、原子力発電所の使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設の建設に向けた調査を実施する意向を示し、予定地の森林を伐採するなど準備を進めていました。

施設の建設を巡って中国電力は、上関町から地域振興策を求められ計画を提案した経緯や、施設の安全性について周辺自治体に説明していて、この度も「環境保全に十分留意しながら安全第一で作業を進めたい」とコメントしています。

一方、上関町の西哲夫町長は…

【西哲夫町長】
「建設が可能かどうかもわからない状況ですから、ちゃんと調査結果が出てから住民の皆さまに説明していきたいと」

ボーリング調査は半年を目途に行われるということです。

<記者の目>
取材した毛利記者によりますと、反対住民の中には使用済み核燃料の最終処分場の場所が決まっていない中での、中間貯蔵施設建設を不安視している人もいたということです。

一方で、施設建設の調査に関して年間で最大1億4千万円の交付金を国に申請することができるということで、年間予算の一般会計が35億円余りの上関町で、人口減少が続く上関町にとっては確保したい財源になるということです。財政難にあえぐ町にとって厳しい問題といえそうです。

テレビ新広島
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