元日の能登半島地震で被災したカップルが、20日結婚式を挙げました。
挙式をあきらめていた二人に無料でプレゼントされた結婚式。
二人にとって希望の式となりました。

上市町天神町で、古民家を改装しオープン予定の結婚式会場。
まだオープン前の20日、この家でささやかな結婚式が開かれました。

*誓いの言葉
「苦難を乗り越え、笑顔いっぱいの明るい家庭を築き、社会の発展に貢献したいと存じます」

式を挙げたのは去年5月に入籍した南砺市在住の妻・湊聖望さんと氷見市在住の夫・湊重太郎さんです。

同居を予定していた夫の住宅は能登半島地震で全壊と判定され、公費解体を決断。
いまも、高岡市への転居を余儀なくされています。
式にかかる大きな負担と、40代という年齢などを考えてあきらめていたという二人の結婚式が、この日、実現しました。

*高野由紀子さん
「たたんで2階へ。次はピンクの(花嫁のれん)です。きょうたまたま1人(スタッフが)休みになったので、てんてこまいになっている」

式を無料で2人にプレゼントしたのは、今年7月に、この結婚式場をオープンしようと準備を進める高野由紀子さん。
石川県で看護師として復興支援に従事する娘の姿にも触発され、被災した人を支援する取り組みを始めました。

*高野由紀子さん
「娘が一生懸命頑張って(復興支援に)行くと言ったとき、今私にできることは何か。心が暗くなっている人のために一筋の光になれるのだったら何か私にできることをしたいと(企画した)」

被災を乗り越え、幸せな日々を送ってほしい。
式には、とやま防災武将隊の佐々成正公も駆け付けてエールを送り、最後には、高野さんから2人に、子どもの旅立ちを見守る家族の想いを込めたオリジナルソングがプレゼントされました。

*オリジナルソング「母の祈り」
「待ってたのよあなたを よく来たわねありがとう 小さな手をそっと握り 歩み出した人生 背にかける打掛 ずっしりと重たく 頬をつたう あたたかい涙に満ち溢れ 愛の光満ちて 交わす感謝の言葉 どうかどうか幸せに 心から祈ります」

*新婦 湊聖望さん
「高野さんは本当に温かい人。親身になってこの式を盛り上げようとずっと頑張ってもらった。感謝しかない。これからもきっと私たちのように、大きな式はできなくても式をやれたらいいなという人は必ずいる。そういう人が良い機会をもらえれば」

*高野由紀子さん
「あの歌は子どもへの親からの感謝でもあり、「生まれてきてくれてありがとう」という素直な気持ちを書いている。ほっとしたのと同時に、こんな最高な幸せはないと思った」

高野さんは、今回の会場となった古民家の自宅を結婚式場として今年7月にスタートさせる予定で、被災したカップルへの支援を続けるほか、地震で振袖姿がかなわなかった新成人への無料の着付けなども、今後予定しているということです。

富山テレビ
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