能登半島地震で液状化被害が大きかった氷見市で、被害の全容把握と復旧に向けた工法を検討するため、22日ボーリングなどによる地質調査が始まりました。
具体的な対策を取るには、地盤がどのような状況なのか調べる必要があり、市は今年10月をめどに対策工法を示したいとしています。

*リポート
「地下10メートルまで掘り進め、地盤を詳しく調査するのが、今回のボーリング調査です。生活の復旧、そして液状化に強いまちづくりのための事業がここから本格的にスタートします」

22日は、特に液状化被害が大きかった氷見市栄町地区で、市の職員と委託を受けた建設コンサルタント業者が立ち会い、地盤を掘削するボーリング作業が行われました。

作業は、鉄のパイプを回転させて地下10メートルまで掘り進め、1メートルごとに地質のサンプルを採取。

*NiX JAPAN 開米浩久技術士
「(断面図の)黄色い層が、液状化しやすい「砂質土」。(調査する地点は)黄色い層が薄い(液状化しづらい)はずが、これだけ甚大な被害が発生している。過去30年の地質調査をまとめた地下の断面図だが、本当にこれほど薄い層だったのか確認するため調査する」

氷見市では、能登半島地震による住宅被害が5765件と県内で最も多くなっていますが液状化被害の全容把握には至っていません。

*氷見市都市計画課 宮下尚久課長
「1日でも早く、安心な対策工法を提示して、みなさんに安全安心な生活を実感してもらいたい」

市は、今後1カ月で、北大町地区と合わせて2カ所を調査します。

復旧のカギを握るのは、地下水位で、地区単位で水位を下げ、地盤改良を進める「地下水位低下工法」の有効性など、これまでの水道事業などで採取された地質サンプルとあわせ、復旧工法の検討を進めることにしています。

*近くに住む人は
「(液状化で)家の下から砂が湧き出た。これだけ地面から出て、地下がどうなっているか心配」

*稲積地区震災復興期成会 鎌和紀会長
「ここを離れた人が戻ってくるだけではなくて、ここに人が集まるような、そんな場所に復興してほしい。ボーリング調査はその第一歩」

氷見市では、今年10月をめどに対策工法を示したいとしています。

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。