円安が一段と進んでいる。17日も円相場は1ドル155円台を目前にした値動きとなった。この記録的な円安は、外国人観光客を受け入れる県内の観光地にも影響を及ぼしている。国の内外から多くの観光客が訪れる観光地尾花沢市の銀山温泉でも、円安の影響が出ている。

(リポート)
「銀山温泉。きょうも多くの観光客で賑わっている。こうして通りを歩いていると、インバウンドの旅行者が多いのか、外国語が多く飛び交っている」

17日の銀山温泉は、風情ある温泉街をバックに写真を撮る外国からの旅行客で賑わっていた。

(香港からの旅行客)
「ここに来るのは4回目。冬や秋にも来た。とても良い場所。(円安は)嬉しい。より多くのものが買える」

(ドイツからの旅行客)
「とても美しい。街並みも天気も素晴らしい。私にとっては(円安は)良い。ものの値段が高くない。旅行するにも良い」

銀山温泉旅館組合の松本孝行さんによると、銀山を訪れる外国からの旅行客は、円安の影響で例年よりも2割以上増えていて、台湾などアジアだけでなく、欧米から来る人も増えているという。こうした円安のメリットがある一方で、不安の声も…。

(銀山温泉旅館組合・松本孝行組合長)
「原材料費にもだいぶ影響が出てくると思っていて、不安でもある」

今後、円安がさらに進むと物価高騰が懸念されるため、温泉街にある旅館では、仕入れの際に出費を抑える努力をしている。

(銀山温泉旅館組合・松本孝行組合長)
「地物を使う、近場のものを手に入れるなど、地産地消するようにしている」

いま、この温泉内の旅館では、使う食材の約7割が県内産。今後さらに円安が進んでも輸送や仕入れのコストが大きく変動しないことがメリットだという。
県内の観光地にとって、歴史的な円安は、良い点と、良くない点、両方があるようだ。

さくらんぼテレビ
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