私たちの生活に欠かせない電気の供給。鉄塔で送電線の作業を行うのが「ラインマン」と呼ばれる人たちです。４月１５日、ラインマンの卵、新入社員たちが、宮城県蔵王町で研修に臨み、鉄塔での作業を体感しました。
蔵王町に集まった新入社員たち。送電線のメンテナンスや点検などを行うＥＴＳホールディングスに入社した９人です。鉄塔で送電線の作業を担うラインマン。主な仕事は鉄塔と鉄塔の間に電線を張る工事や鉄塔の建設など。新入社員９人は、座学を中心に研修を行ってきたため、鉄塔に登るのは１５日が初めてです。
「移動するときも、落ちないように絶対二つかかるようにして、二つかかっているのを確認したら、一個を取る。そしたら、どっちかはかかっているから、大丈夫だから」
新入社員は先輩と一緒に少しずつ登り始めます。
新入社員の１人、石巻市出身の佐藤陽斗さん（１９）。ラインマンを志したのは、東日本大震災がきっかでした。
石巻市出身 佐藤陽斗さん（１９）
「電気の復旧作業を手伝っていたのが、このＥＴＳホールディングスだと知って、高校で進路を決める際に、ここが俺を助けてくれたんだなって思って、ここに入りたいなって思いました」
高さ１０メートルから２０メートルほどまで登った新入社員たち。このあとは先輩が鉄塔の最も高いところまで「お手本」を見せてくれました。
高さは３０メートル、鳥の巣を確認するなど作業を進めていきます。暮らしを支える「ラインマン」ですが全国的に人材不足が課題となっています。
この会社では、入社した９人のうち佐藤さんなど２人が「ラインマン」を目指します。初めて鉄塔に登った佐藤さんは…。
佐藤陽斗さん（１９）
「結構高かった。ただ景色も良かったし、意外と寒さもなくて、けっこう快適でした」
ＥＴＳホールディングス東北支社 千葉仁顧問
「新入社員は、やっぱりまだ怖いっていうのがある。まだ鉄塔にしがみついている状況。きょう帰ると、たぶん筋肉痛かなと思う。だんだんこれも慣れてくるので、一年すれば高いところまでどんどん行けるようになるので。これはあくまでも慣れ」
この会社では、４月いっぱい新入社員の研修を行い、ゴールデンウイーク明けからはグループに分かれて先輩たちと一緒に鉄塔の現場で作業を行うということです。
