2024年も値上げの波は止まらない。記録的な値上げラッシュだった2023年の半分ほどではあるが、4月は2024年最多の数で平均値上げ率は約23%。同じ食品でも一度だけでなく二度三度と値上げされるケースも多い。値上げなのに賃金は上がらない…苦しい家計をどうやりくりすればよいのか、節約アドバイザーに話を聞いた。

<値上げは食品だけにあらず>
物流の「2024年問題」もあり、2024年4月からヤマト運輸では一部の宅配便・クール便などが平均・約2%の値上げ。佐川急便では、宅配便の料金が約7%値上げされている。
また、電気・都市ガスの負担軽減措置がもまもなく終了。一般家庭で毎月、電気が「910円」ガスが「450円」補助されているが、5月使用分はいまの補助額の半分となり、6月使用分からはこの補助がなくなる。年間で計算すると1万6000円以上負担が増えることになる。
そして先の話だが、新たな負担も…少子化対策の財源とするため2026年度から段階的に「子ども・子育て支援金」の徴収がはじまる。自営業の人と企業に雇用されている人で支払う金額が異なるが、会社員などは年収600万円の人は毎月1000円など年収によっても違いがある。

<多くの人が負担を実感>
家計の負担がこの先も増えることが想定されるが、現状で街の皆さんはどう感じているのか話を聞いてみると…「粉ミルクとかも結構高くなった。上の子の時とかと比べて上がった実感がある。子どもに使う分は安くできないことが多い」「食費もだけど電気料金も上がっている。公共料金が上がっているのが一番きつい。賃金上がってから物価が上がってくれれば良いが、賃金が追いついていない感覚がある」など、続く物価高に苦しんでいる声が多く聞かれた。
その証明ともいえるのが、4月8日に発表された2月の実質賃金が前の年の同じ月と比べて1.3%減少。過去最長となる23カ月連続のマイナスとなった。

<アドバイザーが伝授 節約術>
少しでも家計の負担を減らしたいということで、いますぐ出来る「節約術」を2人の子どもがいる節約アドバイザー・ののこさんに伺った。
まずは、ののこさん流の買い物術「買うものをメモしていくべし」
メモ以外は買わないと決めることで、激安に左右されないという。「安いからと、スーパーで予定外のものを買ってしまうと、結局消費できなかったりする。ロスがおきて結局無駄になってしまう」とののこさんはいう。

<行くスーパーは1カ所で>
ののこさん流買い物術・その2「行くスーパーは1ヵ所にするべし!」
お買い得品などを目当てに何ヵ所かスーパーをまわると、結局「ガソリンが余計にかかる」「時間も無駄になる」といったデメリットがあるという。

<買い物は一人で>
そして、気をつけたいことがもう一つ「家族を絶対連れていかない」
「家族と行くとお菓子とか、知らないうちに色々カゴの中に色々潜んでいて、あれ?こんなの買ったっけみたいなことが結構起こる。家で一回チェックしてから、買うもの組み立てたほうが、無駄にはならない」とののこさんは話す。

<作り置きで家事貯金>
ののこさんが推奨するのが…「作り置きで家事貯金を作る」ということ。週1回、約3時間かけて10品ほど作り置きをしているという。
肉は大量買いすると安いので、下味をつけて冷凍しておく。野菜を含め「冷凍貯金」で食品ロスも防ぐ。作り置きをるす日以外は15分ほどで食事の準備が終わるので、光熱費の節約にもつながっているそう。
献立作りは、旬の野菜を買ったり賞味・消費期限の近いものから考えたりするとよいという。

<その他 押さえるポイント>
そして「ふるさと納税」を活用することもおすすめだという。返礼品は食品・日用品を中心にするとよいという。
また、年に一度は「固定費」を見直すこと。その際、「年間でいくら安くなるか」を考えるとよいそう。

<現金で可視化>
そしてキャッシュレス時代だからこそ…「食費」「ガソリン」「日用品」「予備費」と、毎月それぞれの予算をいれた現金ファイルを作っているという。キャッシュレスで支払った時は、同じ額をここから抜くと自分がどれだけ使ったか一目瞭然。使いすぎに気付くことができる。

続く物価高…「節約術」を活用して、家計を守っていきましょう。

◇お話を伺ったのは…節約アドバイザー「ののこ」さん
家計管理をきっかけにFP3級を取得。整理収納アドバイザー1級、クリンネスト1級。貯金ゼロから3年間で600万円を貯金。著書に「スッキリ家事でお金を貯める」「ののこの節約作りおきレシピ」

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