高齢ドライバーの運転免許証自主返納の現状について取材しました。
春の全国交通安全運動にあわせ、9日氷見市で開かれた高齢者の交通安全教室。
65歳以上の地区住民、およそ20人が参加しました。
狙いは高齢者の交通事故防止。
そのテーマの一つが…。
*氷見警察署 島野文治地域交通課長
「皆さんの中で、免許証の自主返納をした方はいますか?」
運転免許証の自主返納です。
加齢に伴う身体機能の低下などで運転に不安を感じる高齢ドライバーを対象に警察が運転免許証の自主返納を呼びかける背景には、高齢者の交通事故件数があります。
去年10月、富山市のコンビニに車が突っ込んだ事故。
運転していた84歳の男性は、「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話していたということです。
過去5年間に県内で発生した高齢ドライバーによる交通事故件数は、2019年が617件で、外出が制限されたコロナ禍は100件ほど減少しましたが、去年、2023年は再び、増加に転じました。
高齢ドライバーによる交通事故が無くならない中、運転免許証を自主返納した人は2019年が5543人でしたが、去年は3733人に減少しています。
Q.どうして免許を返納した?
*免許返納した人
「目が悪くなったもんで。ちょうど更新の時期と重なっていて、なんかあってからよりも、今やめといたほうがいいかなと」
*免許返納していない人
「買い物や病院に行くときに、(車が)あったほうがいいと思うので」
Q.家族に言われたりは?
「一人暮らしです。だから、なおやっぱり必要かなと。もうちょっと」
運転免許証を自主返納した人を対象にした自治体などの支援サービスもありますが、車社会の富山で運転免許証を手放すことが大きな決断となるのも事実です。
*県警交通企画課 今崎貴史課長補佐
「ケースバイケースではあるが、返納しておけばよかったという交通事故を起こす前に返納するのも一つですし、サポートカー機能を入れて自らの運転を続けていこうという方も多々おられると思う。ご自身1人で考えることなく、家族などと話し合いをしたのち返すか続けるかを判断してほしい」
自主返納の判断について、警察は運転免許センターなどに相談してほしいとしています。