韓国で10日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の今後の政権運営を占う総選挙の投票が朝から行われ、午後6時に投票が締め切られた。
現地メディアは、与党が大敗する見通しだと伝えている。
韓国・ソウルの尹政権を支える与党の陣営から、フジテレビソウル支局・仲村健太郎記者が最新情報をお伝えする。
現地時間10日午後6時、モニターに出口調査の結果が映し出されると、関係者は厳しい表情で見つめたあと、ほとんどが会場をあとにした。
現地メディアが実施した出口調査などによると、300議席中、保守系少数与党「国民の力」は85~99議席、革新系最大野党「共に民主党」は、半数を大きく超える184~197議席を獲得する見込みとなっている。
第1党を目指す与党にとっては厳しい情勢。
最大野党が過半数を維持すれば、政府と国会のいわゆる「ねじれ」が続くことになり、尹大統領は、今後もさまざまな局面で厳しいかじ取りを強いられる。
――与党が大敗する見通しだということだが、今後、反日の動きはどうなっていく?
韓国の専門家は尹大統領について、一度決定した政策は貫く信念の強さから、これまで進めてきた元徴用工問題などをめぐる日韓関係改善の動きを突然ほごにすることは考えにくいと分析している。
もし日本との関係が悪化すれば、対北朝鮮を念頭にして連携を強化してきた日米韓3カ国の強固な関係が崩れかねない。
一方、出口調査によると、野党全体では最大で200議席を超えるとの見通し。
実際に野党勢力が200議席以上を得ることになれば、大統領の任期短縮といった内容の憲法改正案を発議することも可能となるなど、尹大統領への逆風が強まり、日韓関係改善の動きが停滞するおそれもある。
このあと開票が進められ、選挙結果の大勢は11日未明にも判明する見通し。