台湾東部沖で発生した地震から1週間。インバウンド事業で台湾とのつながりが深い飯豊町では、11日から募金箱を増やし、より広く善意を募っていくことにした。

今年1月、台湾からのツアー客が雪遊びを楽しむ様子。
飯豊町では2008年から、雪がめったに降らない台湾をターゲットに、冬の期間のインバウンドの受け入れを積極的に進めてきた。
新型コロナの5類移行や歴史的な円安を背景に、この冬は過去最高の6300人あまりがやってきた。

このインバウンド事業を中心となって進めてきた町の観光協会の職員は、今回の地震に心を痛めている。高橋達哉さんはこれまで何度も台湾を訪れ、現地の旅行会社のスタッフなどと交流を深めてきたという。
1週間前の地震発生直後は、知らせを聞いてすぐに複数の知人に連絡をとった。

(飯豊町観光協会・高橋達哉さん)
「『あそこの旅行会社さん大丈夫かな』『お付き合いのある人は大丈夫かな』と顔が浮かんだ。『大丈夫』『揺れはすごかったけど大きな被害はありません』と返事が来て、ほっとした」

今回の地震を受けて、町と観光協会や、町内の観光・宿泊施設など7つの団体は、すでに共同で義援金30万円を送ることを決めている。
毎年、飯豊町に笑顔と元気を届けてくれる台湾の人々の力になりたいという思いに加え、2年前に町を襲った豪雨被害の経験も今回の素早い動きにつながった。

(飯豊町観光協会・高橋達哉さん)
「2年前の豪雨被害の苦しみはかなり脳裏に焼きついている。あの時の苦しみと同じような体験をしている人が大勢いると思う。少しでも何かの足しになれば」

また11日からは、町役場と各公民館・道の駅など計10カ所に募金箱を設置し、町民から広く善意を募ることにした。
受付は5月31日までで、集まった義援金は現地の旅行会社を通じて、被害の大きかった地域に届けられるという。

さくらんぼテレビ
さくらんぼテレビ

山形の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。