大学の入学式という晴れの日。
この人のあいさつは、謝罪から始まった。
静岡県・川勝平太知事「私の言動が大きく騒がせることになりまして、みなさま方の中に不愉快な思い、あるいは、傷ついた人がいれば本意ではございません。どうぞお許しください」
こう言い終えると、なぜか、うっすら笑みを浮かべた静岡県の川勝知事。
思い起こせば、8日前…。
静岡県・川勝平太知事「毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、あるいは物を作ったりとかということ違って、基本的に皆さま方は、頭脳・知性の高い方たち」
職業差別ともとれる発言が問題となると、その翌日に川勝知事は辞意を表明。
さらに、5日には自らの発言を撤回した。
静岡県・川勝平太知事「“職業差別”ととらえられかねないところは、全部削除して撤回いたします」
発言の理由について、原稿を読まない自分のスタイルにあったと釈明。
静岡県・川勝平太知事「自分の言葉で、ハート・トゥ・ハートで、相手に訴えるというのが、筋だと思っていました」
9日の川勝知事のあいさつを見てみると...。
静岡県・川勝平太知事「(静岡)県立大学は、地域の誇る“知の拠点”でございます」
スタイルを改めたのか、用意した原稿に、目を落としたまま祝辞を述べた。
川勝知事は10日、県議会に退職届を提出する予定。
一方、裏金問題をめぐり、4月4日に自民党を離党した世耕参院議員。
こちらも6日、自らが理事長を務める近畿大学の入学式に参列。
新入生に向け、“ある思い”を語っていた。
近畿大学 理事長・世耕弘成参院議員「みなさんが近畿大学で過ごされる、4年間、6年間、あるいは2年間は、本当に変化のスピードの速い時代になる。こういった変化に、対応していかなければいけない」
壇上で、変化への対応が大切だと力説。
その後も...。
近畿大学 理事長・世耕弘成参院議員「社会がどんな変化を、変化の激しい社会における、自分の立ち位置を」
自分自身も自民党を離党するなど、変化の真っただ中にある世耕氏。
一方で、自らの裏金問題に触れることはなかった。