特集は高校生の被災地支援です。長野県上田市の上田西高校の生徒たちが能登半島地震の被災地・石川県七尾市で住宅の片付けなどボランティア活動をしました。息の長い支援を考えるきっかけになったようです。


■「非常に胸が痛んだ」

3月26日―。

タンスや布団が次々と運ばれていきます。ここは石川県の七尾市。地震で建物の損壊や断水など、被害が広がりました。

被災者の家で壊れた家具などを運び出したのは、上田西高校の生徒たちです。

上田西高校 生徒会・山下智也会長:
「ボランティアとして活動している方々の活動内容をニュースとかで見て、自分もやってみたいと思いました。ある程度、日常生活戻っているのかなと思ったんですけど、まだ隆起してしまっている道路とかを何回も見る機会があって、日常生活に戻れているという状況ではなく、非常に胸が痛みました」


■全国から集まったボランティアと一緒に

1月―。

上田西高校 生徒会:
「能登半島地震支援募金、お願いします」

上田西高校では生徒会などが中心となって早くから募金活動をしてきました。

上田西高校 生徒会・山下智也会長:
「今できることとして募金を行いましたが、これから被災地のニーズにあわせてできることがあれば活動を続けたい」


次の活動は、被災地で汗を流すこと。

会長の山下さんなど生徒会役員13人は3月25日、高校を出発。以前から交流のあった七尾市の鵬学園高校を訪れ支援活動などについて意見交換しました。


一泊して、26日は七尾市の災害ボランティアセンターへ。

ボランティアセンタースタッフ:
「災害ごみの方は、外にいっぱいの状態になっておりますので、それを積み込んでいただく」

説明を受けたあと3つのグループに分かれて、支援要請のあった住宅に向かいました。


1軒目の現場へ―。

山下智也・生徒会長(本部に連絡):
「1軒目のお宅着きましたので、作業開始します」

雨が降る中、倒れて壊れてしまった冷蔵庫や家具を軽トラックに載せます。


全国から集まったボランティアと一緒に作業―。

要請した住民:
「ここから見たら大したことないかなと思うんですけど、家の中は大変なことになってまして、まだ全然、2カ月もたったけど、大きいものって自分たちでなかなかできないし本当に助かりました」

山下智也・生徒会長:
「1軒目終了しました。2軒目に向かいます」

2軒目の住宅も見た目には大きな被害があったように見えませんが、2階の部屋は家具が倒れたまま。

要請した住民:
「(この部屋は片付けられなかった?)もうびっくりして、ほとんど物置で、使っていなかったんですけど、この棚が倒れているのを見たら、もう見たくなくて(できなかった)」

生徒:
「おっけ。そっち持ち上げてほしいかも」

要請した住民:
「足元気を付けてください」

生徒:
「大変です」
「でも達成感ある」
「人のためになる」

要請した住民:
「(高校生は)長野県からですか!?ありがたいです、わざわざですか。若い人の力とか快く動いてくださるの、本当に感謝です。縁もゆかりもない所まで来ていただいて」

要請した住民:
「皆さん、ありがとうございました。本当に助かりました」


■「とてもいい経験ができた」

他の生徒たちのグループも災害ごみの搬出にあたり、一日の活動を終えました。

生徒:
「テレビで実際に見ていたよりも、ひどい状況だったので印象に残りました」
「自分のが行ったところのおばあちゃんが、すごくお礼とかを言ってくれて、達成感があってとてもいい経験ができた」

少しずつ進む復旧。市は災害ごみの搬出などを行うボランティアを随時、募集しています。

七尾市災害ボランティアセンター・高木伸安さん:
「学生さんでもできる活動というのはたくさんありますので、ぜひこちらの方に行ってみよう、活動してみようというふうな気持ちになってもらえれば非常にありがたい。向こうに戻られても、友達にこういう大変なことがあったよと伝えてもらって。機会があったら旅行でこちらの方に来ていただければ」


■息の長い支援を考えたい

参加メンバーは新学期の全校集会で活動を報告し、今後の支援を考えるきっかけにしたいとしています。


上田西高校生徒会・山下智也会長:
「募金などはやっていきたいと思いますけど、被災地自体の支援活動もしていきたいし、現地の高校生に対してできることを相談しながらやっていきたい」

長野放送
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