対馬で高級魚をとる“Iターン漁師”の男性

対馬で水揚げされるアマダイ。
対馬産は「紅王」というブランドで売り出していて、上品な甘さが全国で人気を集めている。
京都の高級料亭でも提供され、「グジ」と呼ばれる高級魚。

アマダイの“はえ縄漁”をしている、対馬市上対馬町の漁業者、半田隆博さん(44)。

午前4時半、半田さんの1日が始まる。
漁具を積み込み、港から1時間半ほどかけて漁のポイントまで向かう。

半田隆博さん:
ポイントに、潮の流れや風の方向を考えて、思ったところに道具を落とすのが難しいです

ポイントについたら、針にエサがついた長さ120mにものぼる縄を海に落としていく。
これが“はえ縄漁”。

福岡県から一念発起! 漁業者の道へ

半田さんは福岡県出身で、地元の石油関係の企業で働いていたが、2013年 38歳の時に一念発起し、漁業者の道を目指した。
子どものころに、漁業に従事していた祖父とおじの手伝いをしていて、サラリーマン時代も釣りを趣味にしていた。
転職を考えていた時、対馬市の漁業研修生の募集が目にとまった。

長崎県内で水産業に従事している人は、2018年度は約1万2,000人と、1998年度の半数ほどに減っている。
県は、水産業に就きたい人たちへの支援として、関係する企業などを集めた相談会を開いているほか、先輩の漁業者のもとで基礎的な技術を学ぶ研修制度を設けている。

半田さんの指導者は、2歳年下の地元の漁業者だった。

半田さんを指導した漁業者・東真一さん:
いろいろさせてはみましたけど、最初うまくいってないみたいで。徐々に、経験を重ねるうちに上達していきましたね

研修中には、雇用型や独立型などの働き方にあわせて、毎月の交付金もあるほか、操業する船の購入資金などの補助もある。

はえ縄は、1本の縄に多くの枝縄をつけ、そこに針とエサがついている。
船を操縦しながら、たらした縄を巻き取り、針についた魚を水揚げすると同時に、縄が絡まないよう巻き取っていく。

半田さんを指導した漁業者・東真一さん:
「さばき取り」と言って、全部沖で、次の日に使えるようにしてくる(巻き取る)ので、風が吹いているとき、波があるときも、船をうまい具合に持っていかんと

船の操作と縄の出し入れを全て1人で行えるようになるまで、技術を習得しなければいけない。

午後3時 港に戻り、漁協で獲れた分の水揚げ金を書いた伝票をもらう。
この日の水揚げ金額は7万円ほどと、毎日の目標の10万円に少し届かなかった。

家族や地域の支え受け...挑戦は続く

家に帰ると、妻と1歳の子どもが出迎える。
半田さんをバックアップするのは、転職後に結婚した妻。
早朝からの弁当作りなどで支えている。

半田さんの妻・野々香さん:
仕事は楽しそう。皆さんもけっこう協力してくださるので、楽しそうで何よりです

半田隆博さん:
妻が支えてくれるから、わたしも安心して沖にいけるので、すごくありがたい

家族や先輩の漁業者たちの支えがあって、仕事が続けられていると話す。

半田隆博さん:
まだまだ東さんでもそうですけど、先輩漁師の方たちに全然水揚げは追いついていない

半田さんを指導した漁業者・東真一さん:
経験です!

子どものころからの夢を叶えた半田さん。
体力面のきつさや、船の設備や燃料などの経費がかかることなど、操業を続けていくことは簡単ではないが、行政の支援や、家族や地域の支えを受けながら、これからも挑戦が続く。

(テレビ長崎)

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