中国で不動産不況や消費の冷え込みが続く中、家賃を抑えるため“極セマ部屋”で暮らす若者たちが注目されている。月収23万円ほどの30代女性も広さ2畳ほどの部屋を選び、貯蓄を優先していると話す。一方、中国最大級の“家具の街”として知られる広東省では、不動産不況の影響で家具販売が低迷し、巨大モールは閑散としていた。
“極セマ部屋”家賃相場は5分の1以下か
中国の首都・北京で、シングルサイズのベッドがすっぽり収まるだけの2畳ほどの部屋。

「窓なし」「トイレ・水道は共同」の部屋に猫と暮らすのは、30代の女性、密さんだ。

密さん:
この場所はもともと廊下でした。大家さんが壁やドアを取り付け、部屋にしたんですよ。

19日、中国の国家統計局が発表した中国の7~9月期のGDP(国内総生産)の伸び率は、前年同期比でプラス4.5%だった。
半導体やEVなど輸出が好調だった一方、中国国内の不動産不況や消費の冷え込みなどが景気の重しになったとみられている。
こうした中、中国のSNSでは“極セマ”の部屋に住む若者たちの投稿映像が注目されている。

FNNは、北京市内で“極セマ部屋”での暮らしを発信する1人、30代女性の密さんに話を聞くことができた。

密さん:
この部屋の幅は93センチ、長さは3.6メートルくらいかなぁ。

部屋の大部分をベッドが占め、入り口付近に小さな収納棚があるだけの部屋。
広さは2畳ほどだ。

入り口を出たすぐの場所には、炊飯器や鍋が置かれていた。

部屋にガス台やキッチンなどはなく、料理はこの廊下に立って電気鍋で。「人が通るときは道を譲るんです」と話す。
家賃は日本円で約1万7000円(750元)。
北京市内の一般的なワンルームマンションの家賃相場よりはるかに安く、5分の1以下とみられる。
密さん:
この部屋は確かに狭いけれど、生きていく上で必要な条件は満たしています。
その上、職場まで7~8分で通えるのは幸せなことです。

密さんの現在の月収は日本円で23万円ほどで、決して生活に困窮しているわけではない。
それでも極セマ物件に住むのには、現在の中国経済が影響していると話す。
密さん:
お金を稼ぐことが昔ほど簡単ではありません。そのため、節約するようになったんです。
大学卒業後の2011年から北京で生活している密さん。
現在は節約生活のおかげで貯金もあるという。
密さん:
貯金があるから生活に不安や焦りを感じません。
そして、北京市内の極セマ物件に住む人は、他にもたくさんいると話す。

密さん:
この建物には20~30世帯が住んでいます。近くにも同じような建物がたくさんあります。このあたりに住む人は“上京組”が多いです。目的はお金を稼ぐことなので、生活を楽しみにやってきたわけではないんです。
巨大モールも閑散「家を買えなければ家具に意味ない」
中国の国内経済の停滞がもたらす、さまざまな変化。
大きな影響を受けている街が南部・広東省にあった。

中国最大の家具の集積地として知られる佛山市。

8階建ての巨大な家具モールはほとんどの店が閉まっていて、閑散とした雰囲気に包まれていた。
国内の不動産不況などの影響を受け、家具の販売が落ち込み、倒産する業者も多いのだという。

中国の高級木材を使った家具店には、何も残っていなかった。
この巨大モールで働くスタッフは客足が落ちた現状を嘆いていた。

家具販売モールのスタッフ:
働き始めたころは客足も多く、毎日数千人のお客さんが来ていました。
住宅価格が高くて、多くの人は家を買う余裕がありません。家が買えなければ、家具を買っても意味がないんです。
GDP2位の経済大国の先行きに注目が集まっている。
(「イット!」10月19日放送より)

