「幸せを運ぶ鳥」とも呼ばれ、国の「特別天然記念物」に指定されているコウノトリ。
日本では1971年に絶滅しましたが、その後、ロシアから譲り受けたコウノトリを人工繁殖して自然に還すなどして数が増え、主に兵庫県豊岡市などに生息している。
しかし、今月に入り明石市や神戸市の街中でコウノトリの目撃情報が相次いでいる。
本当にコウノトリは“数多く”いるのだろうか。
■神戸市灘区と西区で目撃情報もカメラの前には現れず…
取材班は先週から目撃情報があった神戸市灘区に向かった。
話を聞くことができたのは、「先週、マンションからコウノトリを見た」という男性。
コウノトリを目撃した神戸市灘区の住人:外を見ていたら大きな鳥が…。見たことないなと思って。
男性が撮影した写真には屋根の上で大きく羽ばたくコウノトリの姿が。
コウノトリを目撃した神戸市灘区の住人:びっくりのひと言。縁起がいいので嬉しいですね。何かいいことあったらいいな。
さらに、神戸市西区のため池でも…
コウノトリを目撃した神戸市西区の住人:おとといは50羽。このあたり埋め尽くすぐらいおりましたわ。私も80年生きてきて、こんなん初めてですわ。
しかし、灘区と西区の取材ではコウノトリの姿を確認できず…。

■多数の“目撃情報”ある明石市へ
次に取材班が向かったのは、多くの目撃情報があるという明石市。
記者:明石市にきています。鳥の姿はあるんですが、コウノトリはみられません。
コウノトリの特徴である黒のくちばしと羽のある鳥は見当たらない。
近くに住む人は遭遇したことがあるようで…。
明石市に住む人:めっちゃおると思って。ありえんぐらいの数がいたんでびっくり。
男性が目撃したはのは取材の2日前。川沿いにいる大量のコウノトリです。さらに別の女性も犬の散歩中に遭遇したという。
明石市に住む人:20羽以上いたかなって感じです。この2、3年で急に増えたなって。でもなんでかな?っていうのも思ってます。

■有力情報から加古川へ そこで…
取材班はコウノトリの居場所に近づいているのか…。
取材を続けるとさらに、有力な情報が。
30分ほど前に「加古川市で30羽ほどのコウノトリを目撃した」という男性の証言が。
この情報を頼りに、目撃したという場所に向かってみると、翼を悠々と広げ風に乗って進むコウノトリの姿を確認。
取材班は加古川で6羽のコウノトリを見つけることができた。

■豊岡で続く地道な繁殖活動 2年後には1,000羽を超える見通し
一度は絶滅したコウノトリに一体何が起きているのか?
コウノトリの保護や繁殖を行っている「兵庫県立コウノトリの郷公園」の専門家に聞いた。
ここでは2005年から、育てたコウノトリを野生に放つ取り組みを行っていて、これまでに59羽が放たれた。
その結果、絶滅していた国内の野生のコウノトリは、ことし8月末には728羽に。
2年後には、1,000羽を超えると想定している。

■専門家も「ここまで増えるとは…」
「兵庫県立コウノトリの郷公園」の主任飼育員の吉沢さんは、こうした地道な取り組みが実を結び、ここで放ったコウノトリが神戸や明石でも目撃されるようになっているのではないかと話す。
「兵庫県立コウノトリの郷公園」吉沢拓祥主任飼育員:(コウノトリは)縄張りを持ってしまいますので、それ以外の巣だった子たちがみんな群れになって、神戸市の西区とかあちらの方に飛んで行っている。
さらに、ここ(豊岡市)は(これから)雪が降ったりとかしますので、エサを求めてそういう集団が(南に)広がっていっているのかな(と思う)。
目撃情報が相次ぐ状況をこう分析する一方、驚きもあらわにする。
「兵庫県立コウノトリの郷公園」吉沢拓祥主任飼育員:ここまで数が増えるとは思ってもいませんでした。皆さん幸せな気持ちになってくれたらいいなあとは思いますね。
さらに、日本のコウノトリは近年、中国や韓国にまで渡っているということでその生息地域は広がりを見せています。
絶滅の過去を乗り越え、復活の兆しがみえるコウノトリ。
次は、あなたの街にも幸運を運んでくれるかもしれない。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年10月9日放送)


