「越前がに」を巡るふるさと納税返礼品の不正表示問題で6日、農林水産省が返礼品を生産した越前町の「福丸フーズ」に再発防止などを求める措置命令を出したことを受け、同社は7日、会見を開きました。
会見には福丸フーズの山下覚社長と三宅弘弁護士が出席し、不正表示の指摘を受けた商品について説明しました。
福丸フーズ・山下覚社長:
「手折れのカニや水ガニを使用し、少しでも安く越前町産のカニを提供しようとしたもので、決して越前がにと偽って販売したわけでない」
同社は、農水省から地理的表示(GI)保護制度に違反したとして措置命令を受けた商品について、自社では「越前町産ずわいがに甲羅盛」と表記して販売していたが、ふるさと納税のポータルサイトでは「越前産ずわいがに甲羅盛(越前がに)」と新たに「越前がに」の表記が追加されたと指摘したうえで、自分たちが販売した商品名には不正がないと訴えました。
弁護士は「問題は『越前がに』と書かれたこと。『越前産ずわいがに甲羅盛』では町が抜けているが、こちらは『越前町産』で提案しているので、『越前がに』と追加したのは基本的には町の責任」と訴えました。
なぜ同じ商品がふるさと納税のポータルサイトでは「越前かに」の表記が加わり、不正表示となったのかについては「越前町のポータルサイトに越前がにと書かれたことが問題。これは町とのやり取りの中で解明したい」としました。
一方、農林水産省は6日、「福丸フーズ」に対し地理的表示(GI)保護制度に違反したとして措置命令を出しました。
農水省によりますと、福丸フーズは2020年9月から2026年4月まで越前町のふるさと納税の返礼品に提供していた「越前がに」の商品に原材料の半分を超えて「水ガニ」を混ぜ込んでいたと指摘しています。
農水省は福丸フーズに再発防止策などをまとめ、1カ月以内に報告するよう求めています。
また、福丸フーズの代理人弁護士は同業他社への影響を鑑み、11月に解禁を控える越前がにの返礼品を早期に再開するよう町に求めていくとしました。
【不正表示を巡る経緯】
■2008年 ふるさと納税制度がスタート
■2018年 GI制度に「越前がに」登録
■2020年 福丸フーズがふるさと納税の返礼品の提供を開始
(農水省が違反と認定したのも2020年9月以降の表示)
越前がにがGIに登録された後、なぜ表示を見直さなかったのかについて、福丸フーズ側は、2020年に返礼品として登録する際、町に提出した書類には「越前がに」とは書かず「越前町産ずわいがに」と記載していたとしていて、町とポータルサイト側との登録作業の中で「越前がに」と表記され、その事実についてポータルサイト側に確認すると「その方が売れる」と説明されたと主張しています。
つまり同社は「自分たちが勝手に不正表示となる『越前がに』と付けたわけではない」と主張しています。
町と事業者、それぞれにどこまで責任があるのか、不透明なままとなっています。
