「敬老の日」は免許返納について考える、良いタイミングだ。
高齢のドライバーによる事故を防ごうと、2027年度からは運転技能検査もより厳しくなっていく。
高齢ドライバーの死亡事故割合は増加傾向
3月、札幌市南区のスーパーで高齢の男性が起こした事故。

車を発進する際にアクセルとブレーキを間違えたという。
高齢ドライバーの事故は9月19日にも。
東川町で80代の女性の車がホームセンターのフェンスに突っ込んだ。

道警によると、北海道内での死亡事故は減少傾向にある。
一方で高齢のドライバーによる死亡事故の割合は増えていて、2025年は全体の4割近くを占めた。
「若い時はみんな見えていたんです。ところが、年を重ねて見えにくくなってるんですよ。年とともに」(高齢者講習の講師)

70歳以上のドライバーは講習を受けなければ免許を更新できない。
「できればいつまでも(運転を)やりたいなと思ってます」(75歳男性)
「年を取りましたよね。やっぱり免許返納しないとね。事故起こした時では遅いですから」(72歳女性)
「夜運転がだいぶしづらくなったんでね。今70歳だから、あと5年ぐらいでもう返さなきゃいけないかなと思っている」(70歳男性)

75歳はひとつの大きな区切りといえる。
信号無視などの違反歴がある75歳以上のドライバーには、運転技能検査が義務付けられていて、コースで実際に運転して70点以上を取らなければならない。
警察庁は2027年度からこの検査をさらに厳しくする方針だ。
方向変換での接触などで20点減点。
一時停止できなかった場合は最大で40点の減点となり、これだけで不合格となる。
返納への決断「迷惑をかけてはいけない」
北広島市に住む平畠伸一さん。10月の誕生日で85歳になる。

毎週10分ほど運転し、プールに通っている。水泳は健康のため、40歳のときから続けているという。
最近、心配になっていることがあった。
「反応だとか反射神経、体力、筋力だね。それが運転に影響してるっていうのは私は自覚できるんですよ」(平畠伸一さん)

近所の人と免許返納について話すことも。
「行動範囲狭くなっちゃうのでどうしようかと。それを今悩んでますね」(近所に住む72歳男性)
次の免許更新は2027年だが、平畠さんはそのタイミングで自主返納するつもりだ。
「まだまだ運転する自信はありますけど、この1年っていうのは、まだまだぐっと(自分の)高齢化が進むと思うんですよ。やっぱり人に迷惑かけちゃいけないっていうこともありますから、潮時かなと。(次の)免許証の更新はね」(平畠さん)
返納後の生活を見据えて
免許を返納したあとの生活についても考え始めていた。

電動アシスト自転車の購入を検討している平畠さん。
「軽くて、安くて、長持ちして…」(平畠さん)
「おすすめはこのあたりです」(店員)
「今まで車生活していて、自転車がないとものすごく不便に感じます」(平畠さん)
運転をやめる寂しさはある。
それでも、近くに住む息子さんが「必要なときには車で連れていく」と免許返納を後押ししてくれた。
「(妻も)一緒にすると言っています」(平畠さん)

道内で運転免許を持っている高齢者は、約87万人。
この10年間で10万人以上増えている。
警察は、運転に少しでも不安があれば相談してほしいと呼びかけている。
免許返納をサポートする制度も
免許の返納を考えている方も多い中、返納後の生活をどれほどリアルに想像できるかというのがポイントとなっている。
自治体も免許返納に関して様々なサポート体制を整えている。

例えば道であれば、スーパーへの配送料を割引する施策、車を買い取りしてもらう際、上乗せをする、 タクシー料金の割引や、 平畑さんのように電動アシスト自転車への一部割引が制度として用意されている(いずれも協賛店に限る)。
平畑さんが住む北広島市では返納時に2万円分のバスやタクシー利用券を受け取る事が可能。
返納しても大丈夫だと思える環境づくりを社会でも考えなくてはいけない。
道警は運転に不安を感じるようになったら、安全運転相談ダイヤル#8080に電話してほしいと呼びかけている。
シルバーウィークのような連休を機に、家族で免許返納について話し合うのもいいかもしれない。
