貼ってはいけない? 人気の「交通系ICカード用シール」で思わぬトラブルも…JRに見解を聞いた

カテゴリ:国内

  • シール・ステッカーを貼った交通系ICカードへの注意喚起する投稿が話題
  • 実は個人情報を保護する目的で貼っている場合も...
  • 「Suica」を発行するJR東日本に適切な取り扱い方を聞いた

便利なICカードで思わぬトラブルに?

「ピッ!」。何かと使い勝手が良い交通系ICカード。

定期券としてだけでなく、コンビニなどでの会計で使えることから、普段からある程度の金額をチャージしている人も多いのではないだろうか。

この交通系ICカードとチャージにまつわる注意喚起が今、Twitterで注目を集めている。
そのきっかけは、鉄道会社で働くという、筋トレ駅員(@rikukin741)さんの投稿。



「SuicaやPASMOなどのICカードにシールを貼っている人!すぐにはがしてください!」として、このまま券売機に入れると...

・ほぼ確実にエラーが起きる
・休憩中の係員が対応、ご飯冷める
・故障に繋がることも

などと呼びかけたのだ。

タッチ決済が特徴的なICカードも、チャージするときは機器に挿入する場合もある。
その際にシール・ステッカー類が貼られていると、トラブルにつながるというのだ。


この投稿に対し「過去にやらかしました」などと反応する人もいたが、それではなぜ、ICカードにシール類を貼るのだろうか。

投稿のリプライ欄をたどると、意外な理由も明らかとなった。

個人情報を保護する目的でも使われている

リプライ欄で目立ったのは、「プライバシーが気になって隠すのには重宝します」「個人情報隠しなどでも需要があったりするから難しいところ」などという意見。差別化やおしゃれというよりも個人情報を保護する目的でシール・ステッカーを貼っているようなのだ。

考えてみると、交通系ICカードは個人情報の宝庫とも見てとれる。定期券として使われているものなら、印字されている乗車駅と降車駅が自宅と会社の最寄り駅である可能性は高い。自分の生活圏が他人にバレてしまうのだ。加えて、東日本で幅広く流通する「Suica」を見ても、氏名・年齢が印字されている。

店頭や駅構内でかざしたときに見られたら、特定につながる可能性だってあるだろう。個人情報を守りたい人にとって、シールやステッカーはちょうどいいアイテムなのだ。

筋トレ駅員さんも、この投稿の後で「個人的にはユーモアがあって好きなデザインが多いですw『全部剥がせ!』とまでは言わないから挿入する時だけ剥がすことを忘れなければそれで良いと思いますね」とつぶやいている。

印字された情報から個人特定につながることも考えられる(画像はイメージ)

とはいえ、券売機などにそのまま挿入していいわけではないという。

ICカード向けのステッカーも制作する、オリジナルグッズの制作企業に聞いたところ、このステッカーは人気商品だが、機器に影響を与える可能性もあるため、販売するときは「チャージや更新で機械に入れて使用する場合は、必ず本製品を剥がしてから手続きを行ってください」などと注意喚起しているという。

このようなステッカーやシールは、何度も貼ったり剥がせる素材で作られていることが多い。

ルールを守っていれば問題は起きにくいはずだが、実際はどうなのだろうか。
交通系のICカード「Suica」を取り扱う、JR東日本に聞いてみた。

機器内部が損傷する可能性

――ICカードにシールやステッカーを貼る行為については、どう思う?

機器故障やお客さまのシールが傷むことにもつながりかねないので、シールやステッカーをICカードに貼ることはお控えください。


――チャージなどで券売機に入れると、どんな影響がある?

定期購入など、券面を更新する必要性がある場合は印字ができなくなります。

(画像はイメージ)

――実際に被害が出た例などはある?

剥がれたシールが機器内部に張り付き、機器故障となった例があります。


――シールやステッカーを貼ることで、他に起こりえることはある?

ICカードの厚みが増すことなどから、カード搬送時に機器内で詰まりが発生する可能性が高まります。また、正常にカードの投入方向が判断できなくなる場合もあります。最悪の場合、券面に印字を行う部品が損傷する可能性があります。

個人情報を守りたい人はパスケースなどを

――個人情報を保護する目的で貼っている人はどうすれば良い?

シールやステッカーをICカードに貼ることはお控えください。パスケースの利用などをご検討ください。


――逆にステッカーやシールが貼れるようなICカードなどはある?

他社のカードについては当社では分かりかねますので、各社にお問合せください。


――このほか、ICカードにしない方が良いことなどはある?

Suicaをズボンのポケットに直接入れるなどすると、Suicaが折れたり、ゆがんだりして、券売機や精算機に入れたときに詰まることもあります。

パスケースやスマホアプリなどの選択肢があることは覚えておきたい(画像はイメージ)

取材では、首都圏で広く流通する「PASMO」でも、シールやステッカーを貼ったことで「Suica」同様の機器故障があったことが分かっている。

近ごろは「モバイルSuica」など、ICカードの機能をスマートフォンで使えるアプリもある。個人情報を守りたい人は、このような選択肢があることも覚えておき、チャージや定期券の更新で思わぬトラブルに遭遇しないようにしていただきたい。