富山県南砺市の桜ヶ池で、池の水を抜いて生態系の保全を図る「かいぼり」が25年ぶりに行われた。参加した市民らは泥まみれになりながら、外来種の魚の捕獲に奮闘した。池からは60センチを超えるオオクチバスも姿を見せた。

生態系を守る 「かいぼり」とは

桜ヶ池は南砺市にある周囲約3キロの農業用のため池である。春には湖畔に咲く桜が楽しめる名所として知られている。

この桜ヶ池で17日に行われたのが「かいぼり」だ。池の水を抜いて底を乾かすことで水質の改善を図るほか、外来種を取り除くなどして、生態系を守る取り組みである。
「口ががばっと開く」60センチ超のオオクチバス

この日、NPO法人NPObirth自然環境マネジメント部の久保田潤一部長が手にしたのは、特定外来生物のオオクチバス(ブラックバス)だった。

久保田部長は「オオクチという名前の通り口ががばっと開く。これで在来種の魚を食べてしまう」と説明する。生態系に与える影響が大きいため、環境省が特定外来生物に指定した種類だ。
さらに「バス釣りで人気なので放されちゃう。これをこの池からなくそうというのが今回のかいぼりの目的の一つ」と話した。

池に残されたオオクチバスは60センチを超えるものもいた。こうした外来種が増えることで、在来種のフナやワカサギが減る原因になっているという。
市民約50人が魚を次々と捕獲

この日は市民など約50人が参加した。池に残された魚を次々と捕獲し、外来種と在来種に分けていった。

参加者に感想を尋ねると、「冷たい、楽しい」と笑顔で答えた。一方で、別の参加者は次のように苦労を振り返った。

「(泥で)ほぼ何も見えてない。桶に入れるところまではよかったが、桶で魚が暴れてしまって。半分くらいしか見えていない。(今一番したいことは?)風呂に入りたい」
泥だらけになりながらも充実した様子で笑顔をみせていた。
来年開業の「プレイアースパーク」を見据えて

今回のかいぼりは、周辺で整備が進む自然体験施設「プレイアースパーク」の来年の開業を見据え、市民の環境意識を高める目的でも行われた。
参加者にとっては、楽しみながら身近な自然環境への理解を深める機会となった。
久保田部長は、かいぼりの意義を次のように語る。

「かいぼりに参加すると環境問題が一気に自分事になるいい機会だったと思う。本当はここにいるべき生き物がたくさんいるはず。外来種が入ることで地域の自然が失われてしまうことになる」
そのうえで、「南砺市のすばらしい自然をこれからも語り継いでいく、その大切さを理解してほしい」と呼びかけた。
(富山テレビ放送)

