多くの人が経験しているであろう、ダイエットの失敗…。今度こそ成功させるにはどうしたらいいのだろうか。

実は、YouTubeでチャンネル登録数72万人を誇る人気のパーソナルトレーナー・つむらみおさんは、もともと太りやすい体質でダイエットの失敗を繰り返してきたという。

パーソナルトレーナーのつむらみおさん
パーソナルトレーナーのつむらみおさん
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そんなつむらさんが、読者に知ってほしいというご自身の失敗談が以下の3つだ。

【1】食事制限とリバウンドのループ
【2】タンパク質を取っているのに太った!
【3】ウォーキングしても痩せない

失敗の理由と解決方法を聞いた。

【1】食事制限とリバウンドのループ

筋トレに出会って栄養学を学ぶまでは“ダイエット迷子”でした。子どもの頃からぽっちゃりしていて、一念発起して初めてダイエットをしたのは高校の頃。その時から、食事制限をしては一時的に痩せ、何かきっかけがあるとリバウンドして…を、さんざん繰り返してきたのです。

リンゴ、バナナ、納豆などなど、「〇〇だけダイエット」や、ゼロカロリー食品を食べ続けるなど、あらゆる食事制限を試しました。若い頃はそれで一時的には痩せるのですが、つねに空腹でフラフラで、ゲッソリしていましたね。

いくら栄養がある食品でもそればかりはダメ(画像はイメージ)
いくら栄養がある食品でもそればかりはダメ(画像はイメージ)

こうした極端な食事制限の一番の問題は、栄養が偏りがちになってしまうこと。そして栄養が満たされていないと、ずっとお腹が空いているんですよ。だから、かえって暴飲暴食に走りやすくなってしまうという落とし穴も…。

糖質を一切取らないダイエットも試しました。これは、糖質を絶つことで脂質をエネルギー源にして痩せる方法なのですが、糖質をカットしきれなくて失敗。糖質の代わりに油ものばっかり取っていたので、痩せるどころか脂肪がついてしまいました…。

トレーニング中のつむらみおさん
トレーニング中のつむらみおさん

では、何をどれくらい食べたらいいのかというと、“PFCバランス”という指標が参考になります。PFCとは、人間に必要な三大栄養素のProtein=タンパク質、Fat=脂質、Carbohydrate=炭水化物のこと。この指標は、体重・身長・年齢によって変化するもので、ツールを使って1日の必要量を計算することもできるので、参考にしてくださいね。

ここで私が声を大にして言いたいのは、体重にこだわりすぎないでほしいということ。筋肉があれば体重は重くなりますが、見た目のスタイルは良くなります。食事のPFCバランスを意識しながら、合わせて筋トレにも取り組んでほしいですね。

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【2】タンパク質を取っているのに太った!

ジムに入会して筋トレに出会ったばかりの頃、“筋肉を育てる栄養素はタンパク質”であることを知って、やみくもにタンパク質食材を食べまくっていた時期がありました。

1日に必要なタンパク質のグラム数は、体重(kg)×1.4g(前述のPFC計算ツールを使ってもOK)。例えば、体重50kgの場合は70gなので、卵(1個5.9g)に換算すると約12個分になります。

そこで私は、卵を大量に買ってきて味玉を作り、1日5個くらい食べていました。「安くて調理も簡単だし、5.9g×5個分で、手軽に29.5gのタンパク質を摂取!」と考えていたのですが、ここに落とし穴が。卵1個あたりの脂質は5.3gなので、5個で26.5gに。ダイエット中ならば脂質は40~50gに抑えたいのに、他の食材を食べたらあっという間に脂質オーバーに…。

卵はタンパク質豊富だが脂質もあるので食べすぎに注意(画像はイメージ)
卵はタンパク質豊富だが脂質もあるので食べすぎに注意(画像はイメージ)

食材でタンパク質を取る時は、なるべく脂質が少ない食品を選び、なるべく少ない油で調理をするなどの工夫をしながら取り入れましょう。

脂質を抑えてタンパク質を取りたい人には、栄養補助食品のプロテインがおすすめです。中でも「ウェイトダウン」という種類のものは低脂質なのでダイエット中にぴったりですよ。

ダイエットで“体重を減らす”は間違い?↓
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【3】ウォーキングしても痩せない…

「たくさん歩いているのに痩せないんです!どうすればいいんですか!?」とよく尋ねられることがありますが、残念ながら、歩いたぶんだけ痩せるわけではないのです。私も学生時代、1日3時間のウォーキングを週5日こなし、足を豆だらけにして頑張ったのに全然痩せませんでした。お腹にラップまで巻いて、汗だくになったのに…。

結局、ウォーキングは運動負荷が軽い有酸素運動なので、筋肉を育てて基礎代謝量を増やすことができず痩せにくいのです。私の経験では、1時間のウォーキングの消費カロリーが約230キロカロリー(ご飯一膳または焼き菓子1個程度)と、時間がかかるわりにカロリーの消費もそれほど期待できません。

ウォーキングはダイエットには効果は薄い…(画像はイメージ)
ウォーキングはダイエットには効果は薄い…(画像はイメージ)

では、走るのはどうかというと、こちらはペースが重要です。隣の人とおしゃべりできるくらいが脂肪燃焼に効果的とされています。そんなこととは知らず、私も、とにかく汗をかけばいいと思って坂道ダッシュを繰り返していた時期がありました。でもダッシュは心肺機能を強化するトレーニングなので、アスリート向け。疲れただけでまったく痩せませんでした。

挫折を乗り超えて自分の体を好きになろう

現在のスタイルからは想像できないが、つむらみおさんも“ダイエット迷子”期を乗り超えて今の体形を手に入れたのだ。つむらさんは、挫折経験のある人にこんなエールを送ってくれた。「正しいトレーニングを続ければ、きっと自分の体が好きになって自信が持てるはず。諦めずに頑張ってみてください!」

■PFC計算機
https://tsumuramio.com/calculator/

部位別トレーニングはどうすれば?ぽっこり下腹、ヒップアップなどこちらから↓
『自分の筋肉を侮るな 実践!“痩せるカラダ”づくり』

■つむらみおさんのYouTubeチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@miogym5552

『みおの女子トレ部のやせる!食べトレ (美人力PLUS)』(Gakken)
『みおの女子トレ部のやせる!食べトレ (美人力PLUS)』(Gakken)

つむらみお
パーソナルトレーナー。個人の癖や骨盤に合わせた完全カスタマイズメニューで、“理想の体”をリバウンドなしで手に入れる食事やトレーニングを発信。産後1年でボディメイクコンテスト優勝。YouTubeチャンネル登録数は累計72万人。雑誌「Forbes」「Tarzan」「anan」、テレビ番組への出演も多数。オンラインにてレッスン開催中。

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