もっと良いダイエット方法はないだろうかとたくさん調べて、取り組みやすそうな方法を試したものの、挫折。一時は成功したものの、結局はリバウンド…。“万年ダイエッター”にとっては避けては通れない道かもしれない。
全18回にわたりお届けしてきた、FNNプライムオンライン「自分の筋肉を侮るな 実践！“痩せるカラダ”づくり」特集の最後は、パーソナルトレーナー・つむらみおさん（「リバウンド、タンパク質で太る、運動で痩せない…人気パーソナルトレーナーにダイエット失敗談3選と解決方法を聞いた」）に続き、人気ダイエットコーチの計太さんによくある失敗談を聞いた。
【1】ファスティング（断食）をしたら痩せた！はずが…？
【2】とりあえず運動！24時間ジムを契約、やる気満々で頑張ったけれど…。
どちらもよく耳にするダイエット方法だが、一体何がいけなかったのだろうか。失敗の理由と解決策を聞いた。
【1】定番「ファスティング」の落とし穴
今や良く聞くようになったファスティングは、もともとは様々な宗教で行われている食事を絶つ行為。ダイエット目的でも広く行われるようになってからは、1日のうちの一定時間を水と塩だけで過ごしたり、数日間にわたって酵素ドリンクだけで過ごしたりと、そのやり方も書籍やネット上にあふれる情報だけでも何通りもある。
しかし基本的にはどれも、胃腸を休めてデトックス効果を促す、摂取カロリーを減らし体内に蓄えられた脂肪を燃焼してエネルギーに変える、といった効果が期待できるようだ。
良いことばかりに思えるファスティングだが、計太さんは次のように警鐘を鳴らす。
「そもそも断食は、宗教的なものです。それを体重コントロール、ダイエット目的で扱うこと自体が間違いではないかと、僕は考えています。
運動せずに食事だけで痩せようとすると、大体は筋肉も一緒に落ちてしまうんです」（以下、計太さん）。
計太さんによると、一定期間ファスティングをして痩せたとしても、運動をせずにいると筋肉量が減る。そのせいで代謝が落ち、リバウンドしてしまう。そしてまたファスティングをしてリバウンド…と繰り返しているうちに、どんどん痩せにくい体になってしまうという悪循環に陥るというのだ。
「ファスティング中に適度な運動をすればいいのでは」と考える人もいるかも知れない。しかし計太さんは「そもそも、ファスティングなどで低カロリー・低栄養な状態を繰り返すこと自体、カラダにいいことだとは言えないと思います」と注意を促す。
ちなみに人気パーソナルトレーナー・つむらみおさんも、ファスティングダイエットを試した1人。低血糖状態に陥り頭痛が起こったり、お腹を壊したりと体に合わなかったという。そして結果リバウンド。
計太さんも同様に、「無理なダイエットをしてリバウンド、という例をたくさん見てきました」「『まず痩せてから』という考えを捨てて、まず、筋肉を増やすことをオススメします」と言う。
あまりに体重過多で体を動かすとケガをする恐れがある、というわけでもない限りは、ダイエットの成功、引いては健康維持には欠かせない筋肉をまずつけるべきだという。筋肉をつけることで代謝の低下を予防することができ、肥満リスクを減らすことができる。
【2】知識がないのに…とりあえず24時間ジム契約
また、近年人気の24時間ジムについてはどうだろうか。好きな時間に、好きなマシンを使って自由に体を鍛えられることなどが売りだ。行動的な人なら、痩せたい一心で「思い立ったが吉日！」と契約はした、という人もいるかもしれない。
計太さんは「真面目に、納得してやりたいかどうかによって、契約して良かったかどうかは変わると思います。正しい方法ではなかったとしても、何もしないよりは運動すること自体がいいですから」と肯定的な意見。その上で、「ただ、ちゃんとできているかわからないと辞めてしまう人も多いです」と続ける。
「体の使い方やトレーニング器具の使い方などを専門家から学んだ上で、24時間ジムを活用するのがいいと思います。
例えばパーソナルジムで学んで、習慣化されて物足りなくなってきたら、後は自分で頑張るために24時間ジムに通うルートもアリです。そうすれば、納得してできるのではないのでしょうか」。
ジムによっては最初に運動指導やマシン指導のサービスがあるところもあり、自分の運動状況に合ったところを選ぶのが、24時間ジム選びの大きなポイント。
計太さんによると、同様に「見よう見まねでトレーニングをして体を痛める」「自宅でできるトレーニングマシンを買ってはみたものの、結局使わずに放置」をして断念する人も多いそう。
そんな人たちも同じく、最初に正しい体の動かし方・マシンの使い方を学ぶことが続ける秘訣と言えそうだ。
痩せにくい体にサヨナラ！
計太さんによると、痩せにくくなる要因は主に次の2つ。
1）筋肉量が減り、代謝が下がる
2）無理な食事制限を繰り返し、代謝をつかさどる甲状腺の機能が低下している
2）の甲状腺の機能を元に戻すには、生活を整えて、食事を適正量とることが必要だという。ただし、これらを行っても改善しない場合は病院へ行き、医師の診察を受けることも検討して欲しい。
ダイエットのためには結局、適正な食事と、無理なく筋肉を鍛え続けることが一番の近道と言えそうだ。それが生涯にわたる健康維持にもつながる。
様々な極端なダイエットに手を出してリバウンドを繰り返す日々にサヨナラし、少しずつ、着実に、“理想のカラダ”に近づいていってほしい。
計太
大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。専門は運動生理学。大学後はジムトレーナーとして勤務していたが、リバウンドに悩む人の多さを目の当たりにして一念発起。2018年に立ち上げたパーソナルジム「ボクノジム」は都内の3店舗、奈良県の1店舗に加えてオンラインジムを展開、主にダイエット指導と姿勢改善に精力的に取り組んでいる。
日々情報を発信しているYoutubeチャンネルの登録者数は12万人を超えている（2024年2月現在）。
計太さんのYoutubeチャンネルはこちら
www.youtube.com/@ke_ta
