秋田・北秋田市の秋田内陸線「比立内駅」で5月1日、神奈川・横浜市に住む夫婦が写真だけの結婚式「フォトウェディング」を行った。この駅は新婦にとって祖父母との思い出の場所。特別な1日になったようだ。

大切な場所でフォトウェディング

北秋田市にある秋田内陸線の比立内駅。駅員のいる窓口などがない、いわゆる「無人駅」だ。

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無人駅で初めてとなるフォトウェディングを企画したのは、上村勇介さん(36)・友美子さん(35)夫妻だ。

「こんなにカメラに囲まれることないよ」と照れ笑いを浮かべる新郎・勇介さん。新婦の友美子さんも「普通の新郎新婦は経験しないかもしれない」と笑顔を見せた。
ともに関東の出身で、現在は横浜市に住んでいる2人。

この場所を選んだ理由について、友美子さんは「私のおじいちゃんとおばあちゃんがこの辺りに住んでいるので、昔から子どもの頃からずっと遊びに来ていた大切な場所なので、ここで撮りたいなと思っていました」と語った。

「祖父は喜んでくれると…」

2020年に入籍した2人。コロナ禍で結婚式が挙げられないまま2年前、友美子さんの最愛の祖父・浪夫さんが天国に旅立った。

この場所を選んだのは、祖父母への強い思いがあるからだ。
心に秘めた思いを形にしようと、新婦の友美子さんが2024年1月に秋田内陸縦貫鉄道に相談し、この日のフォトウェディングが実現した。

祖父母に会うために利用した思い出の車両との写真撮影。自然の中にもなじむようにと、2人の足元は色違いのスニーカーだ。ドレスはシンプルなデザインで、カジュアルな雰囲気にこだわったという。

車内の乗客にも2人から記念のキャンディーが手渡された。

青空のもと迎えた門出の日。さまざまな思いがこみ上げる。

上村勇介さん:
こんな大自然の中で、内陸線にも協力してもらって、とてもいいフォトウェディングになったなと思う

上村友美子さん:
おじいちゃん子だったので、ちっちゃい頃からかわいがってもらったので、花嫁姿を誰よりも一番見せたかった。写真での報告になるが、喜んでくれるかなと思う。内陸線の魅力をまだまだ知らいない人が全国にいっぱいいると思うので、こういった形で何かしら魅力が伝わればいいなと思う

秋田内陸縦貫鉄道・吉田裕幸社長:
上村さまご夫妻の幸せ行き列車、出発進行!

乗客からも温かい祝福を受けた2人はこの後、駅のそばにある友美子さんの祖父母の家に向かい、祖母にサプライズで花嫁姿を披露したという。
末永くお幸せに!

(秋田テレビ)

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