宮崎を代表する観光スポットといえば、青島!その中で長い歴史を持つ「こどもの国」がリニューアルをしている。コミュニティラウンジや、オーガニックコーヒーショップ、愛犬と泊まれるキャンプ場など盛り沢山。地域活性化を目指したその背景とは。

「こどものくに」の思い出は?

宮崎県民にとって、「こどものくに」は思い出の宝庫だ。「虹の橋を渡ると、夢の国」「宮崎の人たちにとっての原風景」「色々な乗り物に乗って、家族で楽しむ場所」「ジェットコースターや観覧車があった」「戦隊モノのヒーローショーを見た」など、MC陣からも次々にエピソードが出てきた。

視聴者の「こどものくに」の思い出
・青葉ちゃんさん(宮崎市50代女性)
 子供の頃ラクダに乗った記憶がある。ラクダの背丈が高くて怖かった。
・トクリンさん(宮崎市60代男性)
 子供の頃、夏の納涼バスで「こどものくに」に行くのが楽しみだった。
 バスガイドさんの唄やクイズなど、楽しさいっぱいだった。

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次々と新しいスポットが誕生中

県民にとって思い出の場所である「こどものくに」。いま、園内に次々と新しいスポットがオープンしていて、新たな観光資源へと生まれ変わりつつある。

2023年2月以降、着々とリニューアルが進んでいる。クラブハウス2階、かつてレストランだった場所は、2024年2月、ベーカリーとコミュニティラウンジに生まれ変わった。自家製のパンを使ったオープンサンドやパンケーキ、ドーナツなど豊富なメニューがそろう。

ライブラリーコーナーには、宮崎市の書店が厳選した本や雑誌など約100冊がならび、青島の自然を眺めながら、思い思いの時間を過ごせる空間が誕生している。

「こどものくに」の歴史は…

かつて青島観光の発展をけん引し、宮崎交通の事業を支えてきた「こどものくに」。最盛期には年間165万人もの来場者があった。

しかし、経営は20年以上赤字が続き、2017年には遊園地が閉鎖された。

もう一度、その存在感を発揮するために乗り出した今回の再開発。カギとなったのは、AOSHIMA BEACH PARKなどを手掛ける宮崎市のLiberty shipとの業務提携。これにより、AOSHIMA PICNIC CLUBという新たな観光資源が誕生した。

Liberty ship・揚松晴也代表取締役:
公園の機能とパークゴルフのみになってしまってすごく寂しい思いもあった。こどものくにが宮崎県民に愛されているのは歴史があるからだと思う。ストーリーがあるからこそ、それを次の世代につないでいきたい。

県民に必要とされる複合施設へ再構築することで、多くの人に広く開かれた場所にしたい。宮崎交通の思いをかたちにするため、揚松さんたちが取り組んだのは、もともとあるこの場所の魅力を磨き上げることだった。

Liberty ship・揚松晴也代表取締役:
改めてこの場所を見つめ直した時に、自然があって、海があって、川があって、これだけの豊かな緑があるのはぜいたくだと思うし、「ここって本当に気持ちがいいな」と感じてもらえる場所に変えていきたいというところから、少しずつ作り上げてきた。

2023年7月に、オーストラリア発祥のオーガニックコーヒーショップ「Byron Bay Coffee AOSHIMA」。10月にはジューススタンドや綾町産の野菜をメインに販売するマルシェ。ピクニックグッズやEバイクのレンタルなど次々と新エリアがオープン。

青島ピクニッククラブを拠点に、青島の地域全体を楽しむことができるようになっている。

改めて、こどものくにの再開発を 時系列で見ていくと

2023年
  2月 県産スギを使った「サウナパーク」
  7月 バイロンベイコーヒー、ローソン
  10月 ジューススタンド&マルシェ、E-BIKEレンタル、キャンピングカーレンタル
2024年
  2月 ベーカリー・コミュニティラウンジ
  4月 キャンプエリア・ドッグスペース

こどものくにの再開発は、行政も絡んだプロジェクトだ。橋を渡って海側にある河川敷エリアは、宮崎交通、宮崎市、県、地域住民で活用方法を検討してきた。今後、「河川空間のオープン化」という制度を利用して、キャンプ場やバーベキューエリアとして利用できるようになる。その収益で、河川敷の環境や景観を守っていこうという取り組みだ。

官民、地域住民も連携して進む「こどものくに」の再開発。青島観光の再生は青島ビーチパークから始まり、青島ビーチビレッジ、そして今回の青島ピクニッククラブへと繋がっている。点から線、そして「青島エリア」全体(=面)での盛り上がりに期待が高まる。

(テレビ宮崎)

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