能登半島地震から5月1日で4カ月となる。この地震により、30cmの津波が観測されていた新潟市。4月28日に津波の専門家が現地調査を行った結果、少なくとも津波の高さは1mに達していたとの見解を示した。改めて避難ルートの確認や早期避難の重要性が浮き彫りとなった。

能登半島地震の津波 専門家が現地調査

2024年1月、上越市関川に設置された国土交通省のカメラが捉えていたのは能登半島地震の発生から約20分で到達した津波だ。

1月1日・上越市(提供:国交省)
1月1日・上越市(提供:国交省)
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気象庁は県内では柏崎市鯨波で最大40cm、新潟市と佐渡市鷲崎で最大30cmの津波が観測されたと発表していたが、津波などの研究を行っている中央大学の有川太郎教授は「計算上だと1m~2mの高さまでは津波が上がってきたのではないかと思っている」と話す。

中央大学 有川太郎 教授
中央大学 有川太郎 教授

新潟市の津波の高さ 30cmではなく1mだった?

有川教授は能登半島地震発生後、調査が可能な範囲で石川県や富山県など津波が観測された地点で現地調査を行ってきたが、4月28日からは国交省のカメラが撮影していた当時の津波の映像を見ながら、さらに詳しい調査を進めている。

新潟市中央区
新潟市中央区

映像と比較しながら機材を使って津波の高さを調べた結果、新潟市中央区の海岸では気象庁の発表した30cmよりも高い1mほどの高さまで津波が来ていたという計算に。

津波の情報出たら…「きちんと逃げる態勢を」

有川教授は「津波は数十cmでも十分に人を流す力がある」とした上で、地震が発生して津波が押し寄せている情報があった際にはしっかりと高台などに逃げることが大事だと呼びかける。

「実際に警報が出ている高さよりも(実際には)かなり高い津波が押し寄せる可能性があるということがまず一つ。なので、もちろん警報がすべてではなく『津波が来るぞ』と言ったら、きちんと逃げるという態勢をとっていただくことが大事」

上越市船見公園でも内陸へ駆け上がった津波の遡上高が最大5.8mに到達していたことが明らかとなっていて、津波発生時の避難場所やそこまでの避難ルートなどを改めて確認しておくことが重要だ。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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