能登半島地震の発生から4カ月余りが経った今も、農業用ハウスで自主避難を続けている人がいる。公的な支援がほとんど受けられない中、どのように生活しているのか取材した。

農業用ハウスに自主避難

石川県輪島市長井町にある農業用ハウス。ここで生活しているのが保靖夫さんだ。自宅に大きな被害を受けた保さんは、地震発生直後から自らが所有する農業用ハウスで、家族や近所の人たち4世帯11人で自主避難生活を続けてきた。2024年2月に取材した際、保さんは「暖かくなってくると、とてもじゃないけど。温度ももちろん上がるし、まず5月いっぱいが限界というのが、自分の思いですけど。梅雨時になるともうダメだと思っているので…」と話していた。

農業用ハウスで避難生活を送る保靖夫さん
農業用ハウスで避難生活を送る保靖夫さん
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蒸し暑くなると環境は悪化

能登半島地震の発生から4カ月余り。自ら“期限”としていた5月になってもここで生活をしているのは、仮設住宅にまだ入居できないからだ。「当初からここで生活し、みんなで食事をして。寝泊りは白いハウスでしているんですけども、ほとんどそれ以外は当初と何ら変わりはありませんね」。夜は知り合いを通じて建ててもらったインスタントハウスで寝ているが、暮らしぶりは変わらない。心配していた暑さについては「これから蒸し暑くなってここを開けたりすると虫とかね。環境的には悪くなる一方だと思うんですよね。どこまで我慢してやっていけばいいのかも分からないというのが現状ですね」と保さんは話す。

農業用ハウスの隣に建てたインスタントハウス
農業用ハウスの隣に建てたインスタントハウス

バラバラになるよりみんなでいる

輪島市から自主避難所へ届けられる支援物資は2月末で終了した。公的な支援がほとんどない中、民間のボランティアや知り合いなどに支えられ生活を続けている。2次避難という選択はないのか保さんに聞くと、「このハウス自体が自分のなのと、自分だけ行くというのも自分勝手かなと思って留まっているという感じ何というか…」と堪えきれず涙した。「バラバラになるよりみんなでいた方がいいということで、ここでみんなで頑張るかと…」。今後については「やっぱり仮設住宅がいの一番なのと、倒壊した家を撤去しないと家を建てようにも建てられないしね。後手後手に回っているんじゃないかなという感じがしますよね」と話し、思うように生活を立て直すことができないもどかしさを感じているようだった。

(石川テレビ)

石川テレビ
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