2023年1月1日に発生した能登半島地震においては、100人以上の死亡が確認されるなど、甚大な被害が発生されている。

これを受け、熊本県や熊本市は被災地に職員を派遣するなど支援を始めていて、2016年4月に熊本地震を経験した「熊本だからこそ」の支援に取り組む。

熊本市は給水支援などに職員12人を派遣

熊本市は被災地・石川県七尾市などへ向け、1月3日に職員4人を派遣、現地で支援に向けた調査を始めている。

また石川県能登町からの給水支援要請を受け、4日午後には給水車2台などを伴って上下水道局の職員7人が陸路出発した。

全力で被災地の復興支援に当たる考えを示す大西熊本市長
全力で被災地の復興支援に当たる考えを示す大西熊本市長
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大西一史熊本市長:熊本地震でもたくさんの支援をいただき、今日の熊本があるということを肝に銘じながら全力で被災地の復興支援に当たりたいと思います

石川県に向かう熊本市上下水道局水道整備課・東勝広課長補佐は「被災者の不安がないようご支援に尽力してきます」と話した。

熊本市を出発した給水車
熊本市を出発した給水車

能登町は1月3日午後2時半時点で約6,200世帯が断水し、給水車は6日にも能登町に到着予定で、断水している地域に水を届ける。

そして4日には、同じく熊本市から被災地の災害廃棄物処理体制構築のため、職員1人が石川県庁に向かった。

大西市長「必ず支援の手は届く」

また、熊本地震で液状化の被害を経験した熊本市には、新潟市からも液状化被害対策のノウハウを求める要請も入っているという。

大西一史熊本市長:必ず支援の手は届いていく。熊本も発災直後は絶望の中にあった。能登地方の皆さん、被災地の皆さん、いま絶望の中にいらっしゃると思いますが、決して諦めず、一日一日状況は改善していくので、しばらくの間、励ましあってがんばっていただきたい

SNSなどを通じても被災地への呼びかけを続ける大西熊本市長
SNSなどを通じても被災地への呼びかけを続ける大西熊本市長

熊本市は4日、能登半島地震の「応援本部」を設置し、全庁をあげて被災地の支援体制を整える方針だ。

蒲島知事「当時の感謝、今でも忘れず」

また、熊本県は能登半島地震の発生を受けて、石川県へ医師や保健師など7人からなる災害時健康危機管理支援チーム、通称DHEAT(ディーヒート)を5日から約1カ月間派遣すると発表した。

石川県への職員派遣を明らかにした蒲島熊本県知事
石川県への職員派遣を明らかにした蒲島熊本県知事

また、熊本県の蒲島知事が会長を務める九州知事会の事務局として、情報収集などを行う危機管理防災課の職員2人も4日に派遣したと明らかにした。

当時、文科相として被災した熊本城などを視察した馳石川県知事
当時、文科相として被災した熊本城などを視察した馳石川県知事

蒲島知事は熊本地震で被災した熊本のシンボル・熊本城の復旧において、当時、文部科学大臣として支援した馳浩石川県知事に触れ、「当時の感謝は今でも忘れていない。職員も感謝の気持ちを持って対応してほしい」と述べた。

保健所支援に7人 仮設住宅支援に2人

そして、5日には熊本県が保健所支援に当たるDHEATの7人と熊本地震や7月豪雨で仮設住宅の経験が豊富な職員2人の計9人を派遣する出発式が開かれた。

職員はそれぞれ熊本地震や4年前の7月豪雨などの経験を生かし、保健所や仮設住宅の支援に当たる。

熊本地震の経験を生かしてほしいと話す蒲島知事
熊本地震の経験を生かしてほしいと話す蒲島知事

出発式で、蒲島知事は「同じ被災地の熊本だからこそ、被災者に寄り添った対応ができると思う」と話し、職員を激励した。

蒲島郁夫熊本県知事:被災された方にしっかりと向き合って、痛みの最小化の支援をお願いしたいと思います

DHEATとして支援に向かう7人
DHEATとして支援に向かう7人

そしてDHEATのリーダーで人吉保健所・服部希世子所長が「チーム一丸となって支援活動に努めたい」と挨拶した。

9人は5日夕方には石川県に入り、DHEATは能登北部保健福祉センターで災害時の保健医療の態勢を構築。

「熊本モデル」の木造仮設住宅
「熊本モデル」の木造仮設住宅

仮設住宅を支援する職員は石川県庁で用地選定や、その後の公営住宅にも活用できる「熊本モデル」と呼ばれる木造の仮設住宅について支援する予定だ。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
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