2025年3月に鳥取県倉吉市に開館する鳥取県立美術館。この春の竣工とともに、関係者向けの内覧会が開かれ、初めて美術館内部が公開された。

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総工費70億円 公立美術館として全国初の「PFI方式」

完成した鳥取県立美術館は、延べ床面積約1万600平方メートルの3階建て。
総工費は約70億円で、2022年1月に着工し、2024年3月に工事が完了した。

コストの低減を図るため、民間の資金を利用して施設整備とサービスの提供を委ねるPFI方式で整備・運営される。PFI方式を取り入れるのは、公立の美術館としては全国で初めてだ。
気になるその内部は…。

1階「ひろま」 左手に展望テラス
1階「ひろま」 左手に展望テラス

嶋村 采音アナウンサー:
「ひろま」と呼ばれるスペースは展望テラスまで繋がっていて、開放的な空間が広がっています。

1階に広がる「ひろま」。鳥取県内産の木材がふんだんに使われ、吹き抜けの空間にはたくさんの光が降り注ぐ。休憩場所だけではなく、展示やワークショップ、コンサートなど様々な用途で活用されることになっている。

嶋村 采音アナウンサー:
2階は主に収蔵品を展示するコレクションギャラリーになります。

2階には5つの常設展示室を配置。これまでに県が収集した1万点を超えるコレクションをテーマ別、作家別などに分けて展示する予定だ。

嶋村 采音アナウンサー:
3階にある企画展示室は、この美術館の中で一番広い展示室になります。

天井までの高さは5m、床面積が約1000平方メートルの企画展示室。美術館主催の企画展を中心に、年4回さまざまな展覧会が開催される予定だ。
また倉吉市内を一望できる展望スペースもあり、ゆったりとした時間を過ごすこともできるとしている。

約3億円の購入費が物議 「ブリロの箱」展示場所は?

ところで鳥取県立美術館といえば、県が目玉の収蔵品として購入したアンディ・ウォーホルの「ブリロの箱」。ポップアートの巨匠の代表作を約3億円を投じて購入した経緯や是非を巡り県民から賛否の声が上がり、県が説明会を開く事態にもなった。

その「ブリロの箱」はいったいどこに展示されるのか…館長に聞いた。

鳥取県立美術館・尾崎信一郎館長:
(Qブリロの箱の展示場所は?)「彫刻」となりますので、第3展示室になると思います。

嶋村 采音アナウンサー:
ブリロの箱が展示される予定の第3展示室のみ窓があり、展示品を外からの光で照らすことができます。どんな形であの箱が展示されるのか楽しみです。

「ブリロの箱」が展示されるギャラリー
「ブリロの箱」が展示されるギャラリー

鳥取県立美術館がオープンするのは、1年後の2025年3月30日。県は建物を活用したイベントを開催するなどして美術館の認知度を高めていくとしている。

1年後の開館待つ鳥取県立美術館
1年後の開館待つ鳥取県立美術館

鳥取県・平井知事:
あと一年、みなさまと一緒にすばらしいオープンを迎えられればと思います。“アート(あと)”1年です。

鳥取県の平井知事は、芸術拠点のオープンに向けておなじみの「ダジャレ」で期待感を表した。

コンセプトは「未来をつくる美術館」。県の新たなシンボルの誕生に期待が高まっている。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

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