福岡・北九州市にある老舗ラーメン店が創業77年を記念して、すでに“濃いい”ラーメンを、さらに罪深くした禁断のラーメンを作った。市長も目をつけた「どろどろラーメン」の製作過程に密着した。

「めっちゃ濃いい」虜になったファン多数

北九州市小倉北区に本店を構える老舗ラーメン店「ぎょらん亭」。昼になると、客がひっ切りなしに訪れる人気店だ。

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そんな「ぎょらん亭」の名物といえば…。「めっちゃ濃いいですね」と来店客もその美味さに満足な「どろラーメン(税込み880円)」

濃度の高いスープをさらにミキサーで撹拌(かくはん)し、背脂をトッピングしたなんとも罪深い一品。ファンを虜(とりこ)にする一杯だ。祝日などは1日200杯を越える。

飲食歴20年の梅本学店長(40)
飲食歴20年の梅本学店長(40)

人気店を切り盛りするのは、飲食歴20年の梅本学店長(40)。創業77年を記念してBIGプロジェクトを担当していた。それは―。

「ぎょらん亭」梅本学店長:
「どろどろラーメン」といって、うちの「どろラーメン」を進化させた商品になります

すでに罪深い「どろラーメン」を、さらにどろどろにした驚愕のラーメンとは。なぞに包まれた製作過程に密着した。

豚の旨味が最大限にスープにしみわたる…

AM9時―。

「ぎょらん亭」梅本学店長:
(どろどろは)10時間くらいかかっちゃうんで、朝早いです

完成まで10時間以上かかるという「どろどろラーメン」。スープには豚の足の骨、通称「げんこつ」のみを使用する。圧力鍋に放り込み、豚の旨味が、最大限、スープにしみわたるまで煮込み続ける。

約6時間。湯気の中から現れたのは、とろみがついた「豚骨スープ」。

「ぎょらん亭」梅本学店長:
これをまた火にかけて圧かけて、圧かかり次第、抽出です

「げんこつ」に再び「圧」をかける。寸胴を眺める姿は、極上のスープを取るためには妥協しない、まさに「豚骨の鬼」だ。

そして、炊き始めから10時間以上が経過し完成したスープ。しかし、ここまでの工程、実はすでに店の看板メニューとして提供している「どろラーメン」と同じレシピ…。すると梅本店長、「何か」を取り出した。

こちらは企業秘密です
こちらは企業秘密です

それは、撮影NGの自家製豚骨ペースト。「どろラーメン」のスープと企業秘密のペーストをミキサーでしっかり撹拌し、どんぶりに投入。

創業77年を記念した一品
創業77年を記念した一品

背脂をたっぷりと敷き詰めれば創業77年記念、1日20杯限定の「どろどろラーメン(税込み1,180円)」の完成だ。その濃度は「どろラーメン」の何と2倍。

「素晴らしい」市長も目をつけた

発売を前日に控えた2023年12月13日、店には意外なゲストが訪れた。

北九州市・武内和久市長がご来店
北九州市・武内和久市長がご来店

「きょうは市民として参りました」と現れたのは、北九州市の武内和久市長(52)だ。市の新たな観光資源として「どろどろラーメン」に目をつけていたのだ。完食した武内市長、翌日の記者会見では―。

北九州市・武内和久市長:
見た目のドロっとした形状から想像できない、口の中に広がる滑らかなクリーミーさ。そのギャップが凄く素晴らしいなと思いました

市長をも虜にした「どろどろラーメン」。メニュー初日には、開店前から「どろどろラーメン」を求める客の行列ができていた。

来店客:
「新しい味が出る」と聞いて、朝早くから並んでみました

おいしそうにどろどろのラーメンをすする客。手際よく注文をさばきながら、梅本店長の表情も緩む。

「ぎょらん亭」梅本学店長:
うれしいですよ、やっぱり。あえて創業者が作った「どろラーメン」に手を加えて、「豚骨、ブタってこんなにうまいんだ」というのを感じてほしい

創業77年の記念として作られた「どろどろラーメン」。その味は新たな北九州の名物になるかもしれない。

(テレビ西日本)

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