一生懸命、本に手を伸ばす男の子。

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「読みたい!」と気になる本を手に取ることができて、うれしそうな様子。

ここは、人口約2万5000人の富山・立山町。
近年、電子書籍の普及により全国約3割の市町村で本屋が姿を消す中、誕生したのが、この町“唯一の本屋”。

「やっぱ本屋はいいですね。町に本屋があるってすごくうれしいです。」

素敵な笑顔でそう話してくれたのは、立山町の職員・中川大輔(なかがわ・だいすけ)さん(50)。
これまで町にゼロだった本屋を復活させた立役者だ。

約10年ぶりに本屋が誕生するきっかけとなったのは“子どもたちからの手紙”だった。

富山・立山町職員 中川大輔さん:
“町に本屋さんが欲しい”というかなり切実な内容だった。

富山・立山町職員 中川大輔さん:
そういった子どもたちの声にぜひ応えたいと思って頑張ってきました。

自身も小学生のころから、近所の本屋を“ハシゴ”するなど、多くの本に触れてきた中川さん。
今でも当時読んだ本をはっきりと覚えているそう。

富山・立山町職員 中川大輔さん:
(ネットで本を買うと)目的の本にしか出合えないというのがあると思う。本屋に行って、いろんな本に触れて、いろんな本に出合うっていうきっかけは、特に子どもたちのうちから必要なんじゃないかなと。

子どもたちの要望に応え、本屋を復活させた中川さん。
中川さんが感じているやりがいとは。

富山・立山町職員 中川大輔さん:
“この町で、あの店で出会った本”がいい思い出というか、ずっと子どもたちに残ってくれればいいなと思う。

記憶に残る本との出合いがいつまでも思い出として残ってほしい。
そんな思いが詰まった中川さんの奮闘はあすも続く。
(「イット!」5月8日放送より)