79年前の沖縄戦の混乱で散逸していた琉球王国の国王を描いた「御後絵」が先月、アメリカから沖縄に返還されました。
これまで存在が知られていなかった御後絵など貴重な沖縄の文化財がきょう公開されました。
▽佐久本浩志アナウンサー:
「戦後およそ80年存在が確認されていなかった『御後絵(うぐい)』。国王の肖像画という琉球王国にとって最も重要だった絵画が現代の沖縄に帰ってきました。」
縦180.5センチメートル、横188センチメートルに及ぶ琉球国王の肖像画「御後絵」。
その装束や「尚清様」という墨書などから第4代国王「尚清王」の御後絵と考えられています。
▽佐久本アナウンサー:
「その大きさもさることながら鮮やかな赤。とても印象的です。国王が湛える威厳を感じます。こちらの御後絵は3つに分かれています。まだどの国王を描いたのか不明で、これから調査研究が進められることになります。」
30日、県立博物館美術館で開かれた式典にはアメリカからの文化財の返還に関わった県とアメリカ側の関係者などが出席しました。
実物大のパネルは「第十三代国王尚敬王」と。「第十八代国王尚育王」と考えられる御後絵です。
これらは劣化が著しく今回公開は見送られました。
▽玉城デニー知事:
「往時の色彩を確認できるようになったことは今後の琉球沖縄の美術史・文化史的研究を進める上で重要な手掛かりになる。米国から返還された流出文化財を県民の心のよりどころとして大切に保存・活用していきたい」
感謝状感謝状が贈られたのはかつて在沖アメリカ総領事館に勤めていた高安藤さんです。
2000年の沖縄サミットを契機とした高安さんの働きかけで、沖縄戦で流出した文化財がFBIの盗難リストに登録されるなど、今回の御後絵の返還のきっかけになりました。
▽高安藤さん:
「やっぱり大きかったんだ。やっぱり鮮やかな色なんだ。。次に御後絵が見つかる。11:05:35~42つなぎになると思います。それはよかったと思っています。」
戦後80年を前に、初めて現存が確認され沖縄に返ってきた御後絵。
県はどのような顔料や紙が使われているのか分析した上で来年度にも修復作業を始めたい考えです。