違法賭博での借金返済をめぐり、水原一平容疑者がドジャース開幕戦後、大谷翔平選手に口裏合わせを求めていたと米メディアが報じた。もし大谷選手が協力していれば、メジャーリーグの厳しい処分を受ける可能性もあったという。

大谷選手に“口裏合わせ”依頼

違法賭博での借金返済をめぐり、水原容疑者が大谷選手に「口裏合わせを頼んでいた」とする新たな事実をアメリカのニューヨーク・タイムズが報じた。

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3月20日、ドジャースの開幕戦の試合後、ホテルの会議室で大谷選手と2人きりになった際、水原容疑者は大谷選手の銀行口座から金を盗んだと告白し、大谷選手が借金を肩代わりしたという筋書きで、口裏合わせをするよう大谷選手に頼んだという。

しかし大谷選手はこれを拒否。その後、別の通訳同席の元、代理人のネズ・バレロ氏、弁護士、水原容疑者の妻の3人を会議室に呼び、話をしたという。

このやりとりの後、大谷選手は自分は被害者だとする声明を発表していた。ニューヨーク・タイムズは、この口裏合わせについて、水原容疑者が法から身を守るための最後のあがきだったと報じている。

国際弁護士の村尾卓哉さんによると、もし水原容疑者が違法ギャンブルの裏にあるマネーロンダリングなどを知った上で参加していて、大谷選手が口裏を合わせて振り込みに協力していたら、マネーロンダリングのほう助の罪に問われた可能性があるという。

今回の訴状を見てみると、大谷選手は被害者ということで、もし口裏合わせに協力しても罪に問われなかったと考えられるという。

協力していたら?ドジャース解雇の可能性も

ただメジャーリーグ機構から、厳しい処分を受けたかもしれないという。

メジャーリーグの賭博に関する規定には、野球の試合で賭けをしたら1年間出場停止、自身が関与する野球の試合に賭けをしたら永久追放、違法な賭けをしたら適切なペナルティーなどの罰則がある。

村尾弁護士によると、もし大谷選手が水原容疑者のお願いに応じて口裏を合わせていたら、事実や状況を鑑みてコミッショナーが出場停止などの適切なペナルティーを下し、場合によっては、ドジャースとも契約違反のため、解雇の可能性もあったという。

村尾弁護士は、口裏合わせの裏工作が量刑に影響する可能性はあり、検察も裏工作を把握して、その内容を盛り込んだ上で司法取引をしているだろうとの見解を示している。司法取引に応じた場合、少なくとも取引に応じずに刑を受けるよりは刑が軽くなるため、もし禁固10年だった場合、8~9年に減刑されるという。

水原容疑者は5月9日に設定された次回の法廷で罪を認めるものとみられているが、自らの口で説明をする機会があるのか注目される。
(「イット!」 4月15日放送より)

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