2023年10月に行われたドジャース入団会見で、司会者から「ショウヘイの最高の相棒であり、親友でもある水原一平通訳です」と紹介があった大谷翔平選手の通訳・水原一平氏。
大谷選手自身も“一番お世話になった人”として、様々な場で常に名前を挙げていました。
2018年に新人王に輝いた会見では、「お世話になったのは、やっぱり一平さん。グラウンドのレベルで、同じフィールドの上でやってきたので。私生活も含めて本当にお世話になりました」と語り、2021年のメジャーリーグで「MVP」を取る直前に行われた帰国会見でも、「お世話になったのはやっぱり一平さんじゃないかなと思いますね。常に一緒に仕事もしていますし」と語るなど、信頼を寄せていました。
大谷選手と水原通訳 2人の歴史
2人の出会いは2013年。大谷選手がプロ1年目、18歳の頃でした。
ちょうどこの年、水原氏も北海道日本ハムファイターズで外国人選手の通訳担当に。外国人選手と大谷選手のロッカーが近かったこともあり、2人は親交を深めました。
当時、既に大谷選手は水原氏に「僕がアメリカに行くことになったら一緒に来てくださいね」と話すこともあったといいます。
そして2018年、大谷選手がメジャーリーグに挑戦する際には、その約束通り水原氏を通訳に指名。エンゼルスへの入団会見では、その理由を次のように話しました。
大谷翔平選手：
5年間ファイターズで一緒にやってきて、僕自身とても信頼していますし、そういう方にやってもらえるというのは、すごく僕にとっては心強いんじゃないかなと思っています。
水原氏は通訳としての仕事だけでなく、野球未経験ながらも練習の手伝いや車の運転など日常生活をサポート。練習中にも、ボールが当たらないよう守るような様子もあり、あらゆる面で「二刀流」を支えていました。
行動が制限されたコロナ禍でも、水原氏が練習相手を務めるなど二人三脚ぶりはさらに加速していきます。
2021年、大谷選手が初出場を果たしたオールスター。その前夜祭として行われたレッドカーペットショーには、チームメイトが家族やパートナーと登場しました。
大谷選手の登場時に会場からあがる、一際大きな歓声。独身だった大谷選手に指名され、そのそばを歩いていたのは水原氏でした。
さらにこの年、大谷選手は自身が出場するホームランダービーのキャッチャーにも、野球経験のない水原氏を指名。2021年以降、大谷選手が「二刀流」として爆発的な活躍を見せると、水原氏の存在もクローズアップされるようになりました。
2022年、オールスターゲームでの2度目のレッドカーペットでは、周囲のファンから「レッツゴーイッペイ！レッツゴーイッペイ！」と“一平コール”があがりました。中には水原氏にサインを求めて声を掛けるファンも。
一方、水原氏はサインを求める子どもを大谷選手の元へ連れていってあげるなど、サポート役に徹していました。
選手よりも大きい声援を受けていた水原氏の人気について、大谷選手は「なんかちょっとかっこつけていたんで。僕的には気にくわなかったかな」と皮肉交じりのコメントをすることで、笑いを誘っていました。
2023年に話題となった、ホームランを打った後の「兜セレブレーション」では、投球練習で忙しい大谷選手の代わりに、水原氏がかぶることも。その際には「ちゃんとかぶってなかったんで、ノリが悪いなと思いましたけど」と笑顔で水原氏をいじるような発言をした大谷選手の様子から、2人の仲の良さが伺えました。
2人の関係に起きていた“異変”
順風満帆に思えた2人の関係。
しかし、2023年4月、エンゼルスの公式ラジオに生出演した大谷選手は、水原氏との信頼関係を問われた際、今までとは違った曖昧なほほ笑みを浮かべて「う～ん、まあ、多少信頼はしています。ほんの少しですけど。ちょこっとだけ信頼してます」と答えました。
さらに、今年2月3日に行われたドジャースのファンフェスタで、トークショーに登場した大谷選手からは、「一平コール」が起きる中でこんな発言が。
―― 一平さんとの関係はどうですか？
大谷翔平選手：
ここはもうビジネスの関係なので、友達ではないですけど。割り切って付き合っています。
数カ月前のドジャースへの入団会見では、「最高の相棒であり親友」と紹介された水原氏について、大谷選手が「ビジネスの関係」や「友達ではない」と言及。これを英語で水原氏が発すると、会場では笑いか起きていました。
米メディアによると、3年前の2021年から“違法賭博”を行っていた疑いのある水原一平氏。大谷選手の“表現の変化”はこれに起因したものだったのでしょうか。
現地で取材を続けるFull-Count編集部の小谷真弥記者は、めざまし8の取材に対し水原氏について次のように話しました。
Full-Count編集部 小谷真弥記者：
（水原氏は）特に通訳としての能力は本当にピカイチで。例えば故障の具合とかも、細かい日本語のニュアンスまで監督やコーチに伝えていたようで。どの監督からも「一平がいるから本当に助かる」みたいな話をいつもされていたので、もう欠かせないといったような人物だったんだなと思っています。
メジャー開幕戦で盛り上がる中で起きた、水原氏の球団解雇。大谷選手は野球に集中する日々が続きますが、突如訪れた別れが及ぼす影響は計り知れません。
（「めざまし8」3月22日放送）
