3月15日(金)、福島市内の小学校に通う児童と教職員合わせて21人が、腹痛や嘔吐などを理由に欠席した。原因は分かっていないが、3月18日と19日の2日間は給食を取り止めた。一体何があったのか?

校長が気付いた異変

「第一報が来た時に、やはり下痢・嘔吐・腹痛が多いことに気付いて、これは何かあるなと感じた。ここが今回のスタートになります」
校長は、児童の欠席の届けを聞いて異変に気付いた。普段も下痢や腹痛などで欠席する児童は一日に2人ほどいるが、3月15日には児童18人・教職員3人が欠席した。

3月15日 児童18人・教職員3人が欠席
3月15日 児童18人・教職員3人が欠席
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大事をとって給食を取りやめ

この学校の給食室では衛生管理を徹底していて、調理員の動線まで細かく記録していた。しかし原因が分かっていないため、大事をとって給食を取り止めた。そして、弁当を持ってきてもらうことにし、保護者に児童の体調の確認を呼びかけた。

調理員の動線まで細かく記録
調理員の動線まで細かく記録

原因究明を急ぐ

校長は「まず検査をしていただいて、その結果が出てから、原因・対策についてしっかりと打ち立てていきたい」と話した。15日に欠席した児童18人のうち3人は19日も症状が続いていて、新たに5人が下痢などの症状を訴えて欠席した。
福島市は「集団感染または食中毒の疑いを視野に入れて原因を調査中」としている。

福島市は集団感染・食中毒の疑いを視野に入れ調査
福島市は集団感染・食中毒の疑いを視野に入れ調査

検食では異常は見られず

給食を取り止めているのは、あくまでも「大事をとって」の対応だ。ちなみに、前日の14日に出された給食のうち、給食室で調理したのはビーフカレーと春野菜サラダ、果物入りのヨーグルトだった。児童が食べる前の教頭の確認では、問題はなかったという。

教頭による検食では問題は見られず
教頭による検食では問題は見られず

体調不良者に共通点見られず

15日に下痢などで欠席した児童18人は、クラスも学年もバラバラ。住んでいる地域もバラバラで、共通点は無い状況だ。

15日の欠席者の内訳
15日の欠席者の内訳

予防の基本は正しい手洗い

原因が分からないなかでも、身を守るために対策をとりたい。食中毒にしても、感染症にしても、予防の基本となるのが手洗い。改めて、正しい洗い方を福島市保健所で教えてもらった。

右が正しい洗い方を実践 汚れに見立てた白いクリームがだいぶ落ちている
右が正しい洗い方を実践 汚れに見立てた白いクリームがだいぶ落ちている

■正しい手の洗い方
石鹸を手に取ったら、まずは「手のひら」と「手の甲」をこする。
次に「指先」と「爪の間」、そして「指の間」も洗う。
汚れが残りやすい「親指周り」は、反対の手で握って洗い、「手首」も忘れてはいけない。十分に水で洗い流したらペーパータオルか、清潔なタオルで拭いて終了。

福島市保健所・大竹祐希さんは「感染症や食中毒の予防の基本は、手洗い。基本の手洗いをしっかりこまめに日頃からやってもらいたい」と話す。

親指周り・手首も忘れずに
親指周り・手首も忘れずに

手洗いは毎日行うので「なんとなく」になってしまうかもしれない。この機会に手の洗い方を見直してみては。

(福島テレビ)

福島テレビ
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