能登半島地震で富山県の最大震度は5強だったが、県内にある活断層が動けばそれよりも大きな揺れ、被害が出ると想定されている。専門家は「大きな地震を起こし得る活断層が富山にあることを認識して備えてほしい」と呼びかけている。

切迫度最も高い「Sランク」の活断層

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現在、富山県内で確認されている主要な活断層は7つある。いずれも阪神淡路大震災に匹敵するマグニチュード7以上の地震を引き起こすとされている。

これらの断層による地震が30年以内に発生する確率は、切迫度が最も高い「Sランク」に含まれるのが2つあり、呉羽山断層帯がほぼ0~5%、砺波平野断層帯が0.04~6%となっている。

この確率をどうみれば良いのか、地質学の専門の富山大学立石准教授に聞いた。

富山大学 立石良准教授
富山大学 立石良准教授

富山大学 立石良准教授:
「それほど高くない数字が並んでいると思う。それぞれの活断層の活動間隔はだいたい数千年くらいと言われている。数千年の30年を見ても、数字としては高くならない。地震発生確率は基本的に高くならない。熊本地震は、0~0.9%の確率となっていた。発生確率で判断するのはおすすめできない。富山県内には活断層があり、大きな地震を起こしうることを認識して、備えるべき」

死者は能登半島地震の10倍近く

富山県内にある断層は比較的「長さ」があるため、動けば大きな揺れ、被害をもたらすのが特徴だと話す立石教授。

県のシミュレーションで最も大きな被害が想定される呉羽山断層帯では、地震による死者が2335人、全壊する住宅は3万7814棟にのぼると推計されている。

富山大学 立石良准教授:
「平野部で地盤が少し弱いところで、被害が懸念される。そういうところは人口密集地が多い。被害と人口は比例する」

一方、近年全国的に注目されている南海トラフ地震は、30年のうちに70~80%の確率で発生するとされ、マグニチュードが8から9、最大震度7の地震が起き、県内でも震度5弱から5強と能登半島地震と同規模の揺れが起きると想定されている。

富山大学 立石良准教授:
「(富山への)直接的な被害はあまり大きくないと想定されているが、物流が阻害されるのは間違いない。間接的な影響は大きい」

求められる備えとは?

立石准教授が勧めるのが東京都が作成したWEBサイト「東京備蓄ナビ」だ。

自分の家族構成などを入力するだけで、自宅に必要な備蓄品の種類と量を提案してくれる。

富山大学 立石良准教授:
「衛生用品や生活用品の備蓄も提案してくれる。これを持ってここに行くなど、状況によって変わってくる。ひとりひとりシミュレーションをして考えてほしい」

大きな地震はもう起きないだろうではなく、富山直下の地震はいつでも起き得ると思って、家での備えや避難経路について家族で話し合うことが大切だ。

(富山テレビ)

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