今シーズン一番の寒気による雪をスキー場関係者は待ち望んでいた。しかし「恵みの雪にはほど遠い」と頭を抱えるのは、「国スポ」の会場になる山形・最上町の赤倉温泉スキー場だ。現状を取材した。

「雪よ降れ…」スキー場で“雪乞い”

国民スポーツ大会「国スポ」の開催まで1カ月半となった2023年12月、赤倉温泉スキー場にはほとんど雪がなかった。

ほとんど雪がない「赤倉温泉スキー場」(2023年12月)
ほとんど雪がない「赤倉温泉スキー場」(2023年12月)
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安全祈願祭恒例の「初滑り」は見送られ、祈願祭はさながら“雪乞い”の儀式となった。

しかしその後もまとまった雪は降らず、一度も営業できないまま新年を迎えた。
「国スポ」の県予選などアルペン競技の“三大大会”は、いずれもほかのスキー場に会場が移された。

赤倉温泉スキー場の菅嶋真聡所長は「暖冬だった2020年でさえ1月4日にはオープンした。今まで経験がないぐらい雪が少ない」と話す。

オープンできたのは2024年1月19日。しかし、それもつかの間、気温の上昇と雨で雪が解け、23日から再び休業に。

ここ数日の寒波で、25日に部分的に滑走可能となったが、積雪量は30cmで大会を開ける状態ではない。赤倉温泉スキー場の菅嶋所長は寒波が少しでも長く続き、雪が降り続けてくれと願った。

宿泊施設も大ダメージ…恵みの雪願う

影響は宿泊施設にも及んでいる。スキー場近くにある「わらべ唄の宿 湯の原」では、3つの大会の参加者約500人分の予約がキャンセルとなり、約600万円の損失が出た。

わらべ唄の宿  湯の原の女将・柴田薫さん:
これほど多くのキャンセルは過去にない。国スポにみんなが期待する中「この年にこんなことが…」という思いがある。雪に降ってもらい皆さんをお迎えしたい

「国スポ」の開幕は2024年2月21日。恵みの雪とはまだまだ言えない状況が続く中、関係者は寒波が続くことを願いながら大会の準備を進めていく。

(さくらんぼテレビ)

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