天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは9月24日、犬や猫との暮らしを考えるフォーラムに私的に参加された。
ご一家はお住まいで犬や猫を飼っていて、愛子さまは高校卒業の際に、平安文学に見る猫や犬と人との関わりをテーマにレポートをまとめるなど、長年動物愛護にご家族で心を寄せてこられた。
誕生日の際などに宮内庁から提供されるご一家の写真にも、度々愛犬や猫が登場し、皇后さまも会見でペットとの関わりについてユーモアを交えて語られ、話題になった事もある。
天皇ご一家が愛情を注がれる動物たちを、写真と共に振り返る
夫婦円満の秘訣
ご成婚から5年となる1998年、誕生日に際した会見で、雅子さまは記者から「夫婦円満の秘訣」について聞かれ、「何事についてもいろいろと話し合うという雰囲気ができている」と答えた上で、こう付け加えられた。
「今，犬がおりますけれども，この，犬がいるというのも夫婦の仲にとって，とても良いように思います。よく「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」と申しますけれども，喧嘩の種は割とよく拾って食べてくれるような気がいたします」
当時両陛下は「ピッピ」と「まり」という2匹の犬を飼われていた。2匹とも、当時のお住まいの赤坂御用地に迷い込んだ雑種の犬が産んだ子犬だった。
天皇陛下も1999年の誕生日会見で、次のようにユーモアを交えて愛犬について語られていた。
「犬を連れてたまにジョギングをすることもありますが，ジョギングをする場合は，私の腰から犬にリードでつないでおりますので，運悪く犬が猫などを見つけてしまった暁には，大変に引っ張られることがございます」
2匹の姿は、宮内庁が提供するご一家の映像にも度々登場してきた。
愛子さまの成長と共に
2001年12月に愛子さまが誕生され、天皇ご一家は三人家族になられた。ピッピとまりが映像に登場するのは、愛子さまが6歳の誕生日を迎えられた2007年の事だ。
宮内庁が提供した映像には、赤坂御用地で2匹と散歩される様子が映し出されている。愛子さまは緑と黄色のボールを投げ、ピッピとまりがそれを取ってくる「ボール遊び」で笑顔を見せられていた。
さらに翌2008年、天皇陛下48歳の誕生日の際には、お住まいの東宮御所内のソファに座り、ピッピとまりと一緒にくつろがれるご一家の映像が提供された。
そして2008年の雅子さまの誕生日の際にも2匹は登場。首にはかわいらしいスカーフがまかれていた事が話題になった。
2008年には、愛子さまの7歳の誕生日映像にもピッピとまりが登場。2007～8年頃、私は宮内庁担当の記者をしていたのだが、誕生日の度に2匹とともに和やかに過ごされるご一家の映像が提供されていたのを、よく憶えている。
新たな「家族」由莉
2009年にまりが息を引き取ると、ご一家は新たな「家族」として、「由莉（ゆり）」を迎え入れられた。由莉もまた雑種で、動物病院から譲り受けられたという。
2009年5月にご一家が静養のため栃木県の御料牧場に向かわれた際、当時8歳の愛子さまが、まだ子犬だった由莉を抱っこされている映像を憶えている方も多いだろう。
由莉も、ご一家の誕生日映像や静養先の写真などに、たびたび登場してきた。
2018年6月のご成婚25年の際には、両陛下が由莉と一緒に散歩される映像が公開されたが、由莉の首には雅子さまの装いと同じピンク色のスカーフが付けられていた。
2021年に愛子さまが成年を迎えられた際の映像に登場した際にも、ピンク色のスカーフがまかれていた。
2009年に子犬だった由莉を抱っこされた愛子さまの写真と比べてみると、由莉が愛子さまの成長を間近で見てきたであろう事がよく分かる。
今回、祝日に私的に犬や猫など同伴動物に関するフォーラムに参加された天皇ご一家。
動物にも深い愛情を注がれてきた事が、映像にも残されていた。
