水俣病被害者団体との懇談の席で、環境省の職員が団体側のマイクの音を絞って発言を制止した問題について、熊本の弁護団が会見を開いた。
この中で、環境省の対応について厳しく非難した一方、患者全員の救済を求める要請書を提出する方針を示した。

園田弁護団長「またやったか」

この問題は5月1日、熊本・水俣市で開かれた伊藤環境相と水俣病被害者団体との懇談の席で、環境省の職員が発言時間の「3分」を超えた団体側のマイクをオフにして発言を制止したものだ。

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水俣病をめぐっては、水俣病特別措置法に基づく未認定患者の救済手続きで、対象外などとされた不知火患者会のメンバーが現在も裁判を続けている。
一連の問題を受け、熊本訴訟の弁護団が5月15日に会見を開いた。

園田昭人弁護団長:
「またやったか」といった感じ。「患者を切り捨てている。長年苦しめられている」ということを切実に訴えていたのに、(マイクを)切ってしまった

全員救済に向けた協議の場を要望

伊藤環境相が5月8日に再び水俣市を訪れ、団体側に直接、謝罪したことについては「誠実な対応だと思う」と一定の評価を示した一方で、環境省の対応については厳しく非難した。

園田昭人弁護団長:
事の本質は「マイク切り」ではなく、「患者切り」。被害者を被害者と思わず切り捨てる。国民にとっては大変な問題。先頭に立って被害者を切り捨てては、国民は浮かばれない

また、5月24日には、患者の全員救済に向けた協議の場を設けることを求める要請書を環境省に提出することを明らかにした。

(テレビ熊本)

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