長野市は、このほど災害時に医療的ケアが必要な子どもが直接避難できる「指定福祉避難所」を3カ所指定しました。きっかけは5年前の台風災害です。

生まれつきの障がいで人工呼吸が外せない久保田爽介さん(15)。

医療的ケアが必要で、日中は養護学校に通い、放課後は長野市川中島町の福祉施設を利用しています。

この施設がこのほど「指定福祉避難所」となり、14日、市と運営するNPO法人が協定を結びました。


これまでの「福祉避難所」は障害者や高齢者を受け入れるもので、一次避難の後、ニーズに合わせて開設されることになっていました。


今回の「指定福祉避難所」は、人工呼吸器を装着する18歳未満の子どもが対象で、事前に登録していれば災害時、直接、施設へ避難することができます。

指定のきっかけは、5年前の台風災害。

「福祉避難所に直接避難したい」との声が寄せられ、国は2021年から市町村に指定を求めてきました。


長野市は4月、NPOが運営する2つの施設を含む3カ所を指定。

協定には市が福祉の専門職を配置し、必要に応じて医療従事者も派遣することが盛り込まれています。


爽介さんの母は…

爽介さんの母:
「重度の障害があって、医療ケアが必要、『一般の避難所には避難できない』と聞いた。(非常時に)息子が来られる場所がある、決まっているというのが安心感につながる」


こすもけあ福祉会・小野恵嗣理事長:
「市内にお住いの方、県内お住まいの方が身近なところでよりどころとできるような避難所がだんだんと増えていくというのが一番いいことではないのかな」

指定福祉避難所の取り組みは県内でも、まだ例が少なく、市は今後も順次増やしていく方針です。

長野放送
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