静岡県内にはサッカー、野球、ラグビーなど実に様々な種目のプロスポーツチームがあります。
トップリーグに所属するチームもあればそれを目指すチームなど応援する側も色々な楽しみ方ができる気がします。
そうした中、クラブ創設5年でB2リーグに昇格、プレーオフまで駒を進める大健闘を見せてくれたプロバスケットチーム「ベルテックス静岡」にスポットを当てます。
ベルテックス静岡・キャプテン加納誠也 選手
プロバスケットボールチーム・ベルテックス静岡からスタジオに素敵なゲストをお呼びしました。
キャプテンで、ムードメーカーの加納誠也 選手です。よろしくお願いします。
加納誠也 選手:
生出演はあまり経験がないので緊張しています。カメラもいっぱいあるし
それでは改めて加納選手のプロフィールをご紹介します。
加納誠也 選手は愛知県出身 196cm95kgでベルテックス加入4年目の35歳です。
筑波大を卒業後、5クラブを経て2020年にB3静岡に移籍しました。前に所属していた福岡では主力としてB1リーグで59試合に出場しています。
その加納選手擁するベルテックスは今シーズンがB2初挑戦!
プレーオフにも進出するなど躍進が光りました。まずは、その戦いから振り返ります。
B2初挑戦でプレーオフ進出!
昨シーズンB3準優勝と昇格を果たし、クラブ創設5年目でB2初挑戦となったベルテックス静岡。
シーズン序盤は4連勝を記録し、強豪相手にも引けを取らない試合をするなど大健闘を見せます。
しかし、試合の入りでリードを奪われるとそのまま逃げ切られる展開が増え、冬場は苦しい戦いが続きました。
それでも、潮目を変えたのはファンの力です!
3月のホームゲームで過去最多の入場者数を記録すると、4月は5勝1敗と巻き返し、最後1枠のプレーオフ圏内に滑り込みました。
永井アナウンサー:
B2初挑戦で8クラブしか辿り着けない大舞台にきました。注目は…背番号41キャプテンのこの人です
初戦で敗れ後のない第2戦。立ち上がりは司令塔・岡田がリズムを作り、味方との連携からリードを奪えば…キャプテン加納もディフェンスで相手に自由を与えず、試合は接戦となります。
ただ、相手はB1経験者を多数擁するスター軍団のアルティーリ千葉。
後半に入ると速攻から得点を奪う相手に差を広げられ力及ばず。プレーオフ初戦で涙を飲みましたが、B2初年度で確かな爪痕を残しました。
-プレーオフは残念でしたが手応えもあったのでは?
加納誠也 選手:
残念だったです。とても悔しかった。今季は開幕から連敗して不安と期待が入り混じってましたが、最後4連勝で自力でプレーオフ進出できたのは良かった。いろいろな経験が積めたし、プレーオフ進出が目標でしたから良いシーズンだった言えます
今季は観客動員数も急上昇
創設5年目で最高峰のB1まで少しずつ近づいて来ており、ファンの期待も高まっているようです。
ホームゲームの観客動員数についてですが、昨シーズンの平均入場者数2002人が今シーズンは3493人と174%にUPしています。
また、最多入場者数も3997人が6932人とこちらも73%のUPです。
-声援を受ける選手として、実感はいかがですか?
加納誠也 選手:
フロントの方も頑張ってくれて大勢の方が来てくれて声援を肌で感じる。ホームの方が勝率もいいですしね
-昨季と比べ会場の雰囲気も変わりました?
加納誠也 選手:
オレンジ一色で会場の一体感が凄いんですよね。ここぞと言う時に点が入ると歓声がドーンと上がるんです。耳だけじゃなくて鳥肌と言うか「決めた」「気持ちいい」ってなります
そしてファンを、今シーズン特に沸かせていたのが3ポイントシュート。チームの成功率はリーグ2位の35.6%でした。
-ご自身の成功率も42.3%。非常に高い数字ですが手応えは?
加納誠也 選手:
チームとしてもスリーポイントを武器としていましたので、戦術として意識していました。個人的にもキャリアハイの数字でしたが、みんなが良いパスくれたからです
-加納選手のプレーをご覧になって、春香さんからは?
春香クリスティーンさん:
3ポイントシュートは元々得意だったのですか?
加納誠也 選手:
違います。高校、大学とムチャクチャ一生懸命練習して自分のストロングポイントにできました。当時指導してくれた恩師に感謝ですね
明るい性格からチームの広告塔として前に立ち、チームメートの引退式では人目をはばからず号泣も…。
人間味あふれる姿からファンに愛されているキャプテンです。そんな彼には、知られざる一面がありました。
ベルテックス移籍を決意した理由は…
最高峰のB1でもプレーしていたトッププレーヤーでしたが、4年前、創設から間もないまだB3だった静岡へ移籍。そこにはある理由が…。
加納誠也 選手:
普通の子供が生まれるのとは違う覚悟
“覚悟”とは、息子・大誠君の存在です。
大誠君は肺動脈閉鎖症(右室低形成症候群)。
血液を循環させる事が難しい1万人に1人という難病で、治療をしなくては生きていく事が困難です。何度も入退院を繰り返し、小さな体で難しい手術を受けてきました。
加納誠也 選手:
生まれてくる前に心臓病とわかって、受け入れるまでに時間はかかかったし、生まれてからも不安は多かったが、息子を見てから親としての覚悟、普通の子供が生まれるのとは違う覚悟、こいつを一生かけて支えていく
国内の複数のクラブから魅力的な移籍のオファーもありましたが、最後に彼が決めたのは小児医療の環境が充実している静岡でした。
息子を守り続けるため「覚悟」を持って戦っています。
加納誠也 選手:
「(息子が)パパが頑張っているから僕も頑張んなきゃ」って思うように、覚悟を持ってやってますね
チームのため、静岡のため、そして息子のために活躍を誓うキャプテン・加納誠也。
彼の覚悟が、ベルテックスをより高みへと導くはずです。
-お子さんのために静岡に来て4年。ここまでどうでしたか?
加納誠也 選手:
あの時の選択、静岡に来て間違っていなかったと思っています。あの時の“覚悟”が今の自分につながっていますし、ベルテックスとしてもつながっていると思います
-いま、大誠君の状態は?
加納誠也 選手:
もうみんなと同じように運動できるようになりました。静岡は育てやすい環境というか、病院があるのですごく安心できます
来季は静岡にもっと良いニュースを
ベルテックスは5月10日にヘッドコーチの交代を発表しました。
-最後に新体制で臨む来季の抱負をお願いします。
加納誠也 選手:
ヘッドコーチも変わり新体制となりますが、ワクワクしたシーズンに、そして静岡を盛り上げもっと良いニュースが届けられるように頑張ります
ここまでベルテックス静岡の加納誠也キャプテンにお話を伺いました。ありがとうございました。