全国的に書店が減少する中、庄原市の中心部には10日新たな書店が誕生しました。
”地域を豊かにするために”時代の流れに逆行する強い決意に迫りました。

「ヨーオッ!ピピピ…」

活気あふれる応援が響いた庄原市の中心部。
時代の変化で書店の閉店が相次いだエリアに10日、新たな光が灯りました。

【総商さとう(書店運営会社)・佐藤友則社長】
「厳しい逆境じゃないかとたくさんの方から聞かれます。でもここから始まる新しい物語は、きっと地域の皆様と一緒につくっていけると信じているというか、確信をしている」

仕掛け人の佐藤友則社長。
これまで庄原市東城町や神石高原町で書店を経営し、本屋でありながらも客の要望に応え雑貨や服などいろいろなものを取り揃え、敷地内に美容室まで併設したいわば”よろず屋”スタイルで展開してきました。
しかし、今回オープンした3店舗目は”本に特化”した店舗です。

【佐藤社長】
「ここ最近早いとか安いとかそういった価値観が非常に重宝されたと思う。でもそれを積み重ねていった先にどうも息苦しいという時代があって、みなさんそれを感じていると思う。
だからこそその先にあるのはもう一度ゆっくり歩む、もう一度ゆっくり暮らしていくとか、豊かに生きていく。だからこそ本の時代が来ると思うし、そうでないといけないと思っている」

【鈴木記者】
「午前9時半すぎです。いまオープンしました。続々と地域の人たちが入っていきます。みなさん笑顔があふれていますね。地域の方でしょうか、お花を渡される方もいますね」

お目当ての一冊を探す人で店内はあっという間に賑わいが…。

「2359円です」
「よかったよ」

【お客】
「(学校があるのに)本屋が一つもないというようなことじゃ…専門書がないコンビニエンスストアには。株が上がっているから株の本を買った」
「本屋がなくなりすごい寂しいなと思っていたが、すごく近いところにできてうれしい。手にもってゆっくり見られる時間がつくれるので…」
「すごいですね。本の数というかこれだけの本があるというのを初めて知った」

”再び町に賑わいを…”店と地域とともにここから歩む20代の店長と従業員は…。

【「ほなび」原田彩花店長(22)】
「オープンを待っていたよと(来てくれる客が)ここまでの人数の多さとは思っていなかったのでビックリしている。ありがたい」

【「ほなび」嘉壽茉莉さん(20)】
「私たちがお客様の期待に応えるためにどう努力するかというので、これから肩組んで一歩踏み出していけるかというのが決まってくると思う。投げられたボールを受け取りそのボールに応えるというのができたらいいな」

ただ本を売買するだけでなく様々な出会い、情報交換の拠点に…。
地域の期待を背負います。

<スタジオ>
本屋ではお目当ての本を探すというイメージがあるので、なんだか笑顔があふれているというところを見ると、この地域の期待感を感じます。

【コメンテーター:叡啓大学・保井俊之教授】
「書店の最新のコンセプトは、人々が集って賑わって幸せになるということです。本から知識を得るだけではなく、みんながつながって交流して盛り上がっていく、幸せになるというコンセプトを体現している。とても良いことだと思います」

テレビ新広島
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