5月1日、伊藤環境大臣と水俣病被害者団体との懇談の席で制限時間をオーバーしたとして発言が遮られた問題を受け、10日、新潟水俣病の被害者団体が会見を開きました。5月末に開かれる県主催の式典に伊藤大臣が参加することを要望しています。

1日、熊本県での伊藤環境大臣と水俣病被害者団体との懇談の場。一人の持ち時間とされた3分を過ぎるとマイクが切られ、発言は遮られました。

一週間後の8日、伊藤大臣は今回の対応について被害者に直接謝罪しました。

そして10日、新潟では…

【松村道子キャスター】
「水俣病被害者団体のメンバーが会見場に集まってきています。今回の環境省の問題を受け、新潟からも訴えたい思いがあります」

【新潟水俣病被害者の会 小武節子 会長】
「私は怒りと…何と言うか、呆れかえっている」

環境省の対応に悔しさを滲ませた一方、この日会見を開いた背景には、伊藤大臣が今後、被害者団体の意見を聞く姿勢を示したことがあります。

【新潟水俣病阿賀野患者会 曽我浩 会長代行】
「新潟では意見を述べる場がない」

新潟水俣病をめぐり、環境大臣が県内を訪れたのは2015年が最後。

被害者団体は5月31日に県が主催する集いに伊藤大臣が出席することを求めています。しかし…

【伊藤信太郎 環境大臣】
「新潟水俣病に関する式典については、事情が許せば、地元・新潟出身(選出)の国会議員・国定政務官を派遣することを考えている」

自身は出席しない意向を示しました。

【新潟水俣病阿賀野患者会 曽我浩 会長代行】
「新潟が低く見られている気がして非常に不満である。去年も環境省の担当者が来たが、私達にまともな挨拶もしないで帰っていった」

会見後、県の生活衛生課を訪れ、式典の主催者である県からも伊藤大臣の出席を要望してほしいと訴えました。

しかし、ここでも被害者と行政との認識の違いが浮き彫りに。

【県生活衛生課 湯本嘉彦 課長】
「(5月31日の)式典の趣旨は、新潟水俣病の歴史を後生に伝えることを目的に開催を新潟県でさせていただく」

【新潟水俣病共闘会議 高野秀男 幹事長】
「この問題が終わったということで、歴史と教訓ではない。まだ、たくさんの被害者が放置されたままになっていることを含めて歴史。そこは、はき違えないで」

一方、県は「式典への大臣出席はふさわしい」と述べるものの、国への出席要望については明確な態度を示しませんでした。

被害者団体は今後も伊藤大臣の出席を求め続けるとしています。

NST新潟総合テレビ
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