東京・新宿区のタワーマンションで8日、25歳の女性が殺害された事件で、FNNは被害者と容疑者の双方を知る人物を独自取材した。すると2人の間にあったトラブルが明らかになってきた。

東京・新宿区のタワーマンションで刺され死亡した、平沢俊乃さん(25)。

職業不詳の和久井学容疑者(51)は9日、平沢さんを殺害した疑いで送検された。

2人は4年ほど前、平沢さんが経営するガールズバーに和久井容疑者が客として訪れたことで知り合った。10日、FNNが話を聞いたのは当時、その店で働いていたという女性だ。

平沢さんが経営していた店で、2021年5月から約2ヶ月間働いていたという元従業員は、平沢さんについて「すごく気さくでかわいらしい感じの雰囲気の人でした」と振り返った。

店では「平明日香」という源氏名で働いていた平沢さん。

和久井容疑者の部屋には、その源氏名と平沢さんの顔のラベルが貼られた4本のボトルが飾ってあった。

元従業員の女性は、和久井容疑者の印象について「週に2、3回は来ていた。誰がお話ししても気さくに話してくれるし、悪いイメージは全くなかった」と振り返る。

また和久井容疑者と平沢さんの関係については、「仲よさげでしたし、和久井容疑者が『何飲みたい?』って聞いたときに、明日香さん(※平沢さん)も『え、なんでもいいの? これ飲みたいな』って言ったら、和久井容疑者が『ああ、いいよ』みたいな感じで、2人の雰囲気が悪いというイメージは当時はなかったですね」と話した。

しかしその後、2人の関係に変化が生じ始めたという。

元従業員によると、店では和久井容疑者は「わっくん」や「わくちん」と呼ばれていたが、「わくちんがだんだんストーカー気味になってきたみたいな話は聞いていて、お店から出入り禁止にされたみたいで。明日香さん(※平沢さん)に対して、体の関係を求めたりするようになって」と証言した。

店から出入り禁止にされたという和久井容疑者は、2022年には平沢さんに付きまとう行為をしたとして、警視庁から書面で警告を受けた。

すると、和久井容疑者は警告を受けた当日、神奈川県川崎市内の警察署を訪れ、「なぜ被害に遭っているわたしが、ストーカー犯と言われなければならないのか」と訴えたという。

警察は、これに対し金銭トラブルについては証拠がなく事件化は難しいとして、弁護士に依頼するようアドバイスしたという。

当時の行動について、和久井容疑者は今回の調べに対して、「経営を応援するために(金を)出した。1000万円以上を返してもらうつもりだった」と話している。

一方、平沢さんは警視庁に相談した際、和久井容疑者が主張する資金について「店の料金の前払い金として受け取った」と説明していたという。

警視庁は、和久井容疑者に強い殺意があったとみて引き続き調べている。

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