秋田を代表する発酵食品・いぶりがっこ作りに使う「漬け汁」がクラフトビールに姿を変えた。発売は10日。いぶりがっこの風味とうまみが感じられる。

10日に発売されるのは、秋田県内の2つのいぶりがっこ製造会社と羽後町のビールメーカーがタッグを組んでつくった2種類のクラフトビールだ。

「いぶりがっこ」は、いぶしたダイコンを漬け込むが、ダイコンを取り出した後に残る「漬け汁」は廃棄される。

 雄勝野きむらや・木村吉伸社長:
「漬け汁は全てのエキスが詰まっていて、毎日廃棄することは、非常に心苦しくてもったいなかった」

湯沢市の老舗漬物店「雄勝野きむらや」は、最盛期には1日に約8000~9000本のいぶりがっこを製造する。

「漬け汁」は1日に300~400リットル出るが、全て廃棄していた。これに注目したのが今回のビールだ。

漬け汁から不純物を取り除き、酵母などを加えて発酵させて完成させた。

それが「いぶりがっこクラフトエール MANTZNAR(マンツナー)」

名前は、秋田を訪れたときの最初の1杯にしてほしいという願いを込め、秋田弁で「まずは、とりあえず」の意味を持つ「まんつ」から取った。すっきりとした味わいながら、鼻に抜けるほどよい燻製(くんせい)の香りが感じられる。

 雄勝野きむらや・木村吉伸社長:
「同じ発酵なので酒との相性は良いのかなと思いビールにしてもらった。社員からは『予想以上においしい』と評価をもらった」

もう1つのビールが、羽後町の「ゆめ企画須藤健太郎商店」のいぶりがっこの漬け汁からつくられた「KINNOKURA Ale(きんのくらエール)」。

県内の桜の花からとった「秋田美桜酵母」を使用していて、濃い色合いが特徴だ。燻製の香ばしさはもちろんのこと、フルーティーな香りも同時に楽しめる。パッケージはシンプルながらどこか華やかさが感じられ、女性が手に取りやすいように工夫した。

 ゆめ企画須藤健太郎商店・薄井あゆみ社長:
「女性や若者、ビールが苦手な人にも楽しんでほしい。次はビールだけではなく、ドレッシングやタレなど調味料としても使える何かをつくれたらいいなと思う」

 雄勝野きむらや・木村吉伸社長:
「秋田に来たら『マンツナー』と気軽に楽しんでほしい」

いぶりがっこの香りと風味を楽しめる2つのクラフトビールは、10日から道の駅うごなどで販売される。

秋田テレビ
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