カープの特集です。
昨シーズンの悔しい成績をバネに雪辱を誓う鯉の守護神、栗林良吏投手。
今シーズンは「3つの変化」でさらなる成長を誓います。

勝敗を背負う守護神というポジション。
新人王にオリンピックの胴上げ投手。
圧倒的だったクローザー・栗林良吏が去年は開幕からわずか一か月で4敗を喫していました。

(栗林良吏投手)
「必要としてもらいたいと思うので結果も出していきたいですし、もう一回信頼を取り戻して」

あれから一年。
再スタートを誓い帰ってきた場所は…最終回のマウンド。
ルーキーイヤーから変わらない『定位置』。
そこには、もがいた時間に隠された大きなある『3つの変化』がありました。

(TSS野球解説・山内泰幸さん)
「今年開幕はいい感じでスタートしていると僕は見ているんですけど」
(栗林投手)
「今年の良さで言ったらフォークも勝負できている。昨年はフォークが勝負できていない分、今年はフォークが勝負できているんで、この結果になっているのかなと思います」

防御率は0点台。
完全復活を予感させる姿にも本人は数字以外の部分に課題を感じていました。

(栗林投手)
「自分の中では去年の方が体の状態もいいなと思いますし、昨年の方がまっすぐがコースに投げられたり、意図するボールが投げられてたんですけど、今年はまっすぐが平均球速も遅いですし、その辺はまだまだなのかなと思います」

(山内さん)「今年はストレート?」
(栗林投手)
「パーセンテージ(数字)を見ているわけじゃないですけど、変化球の方が多くなっているのかなと思いますし、去年はまっすぐ40%くらいで、まっすぐで勝負することも多かったですけど、今年はカットボールだったり、カーブだったりフォークだけじゃない球種でカウントとったりすることが多いので、逆に先日サヨナラ打たれた試合は自分の中では、今年一番調子よかったですし、ブルペンから調子よかったんで、いけると思って、あの日すごく気持ちも高まってたんで、村上をまっすぐで三振とって『今日のまっすぐならいける』って過信しちゃったというのか、あそこは打順見ていたら、あのまま下位につながっていくので、サンタナ選手と無理に勝負する必要もなかったですし、一個前のカットボールの空振りを見ていたら、別にまっすぐを勝負球に持ってこなくても、という冷静な判断ができなかった試合だったんで」

一つ目の変化はストレートの投球割合。
持ち球はストレートに加えカットボール、カーブ、フォークの4球種。
投球割合を見てみると去年と今年の差は一目瞭然。
ストレートよりも変化球の割合が多くなっています。

(山内さん)「どの球種でうちとるのが一番気持ちいいですか?」
(栗林投手)「やっぱりまっすぐの見逃し三振とか」
(山内さん)「見逃し三振?」
(栗林投手)「コントロールいいピッチャーができているイメージで、自分の中では」
(山内さん)「手の出ないようなところにコントロールしたのが一番気持ちがいい」
(栗林投手)「自分の中では、一番それがベストボールだと思いますし」
(山内さん)「フォークの空振りが気持ちいいって言うんじゃないかなって思ったんですけど」
(栗林投手)「フォークの空振りは全く」
(山内さん)「あ、そうなんですか?」
(栗林投手)「一年目はフォークのサイン出たら『絶対三振とるぞ』と思って投げていましたけど、去年調子悪いときから『うわーフォークのサイン出たよ』って思うようになりましたし、空振りとっても安心するくらいで、別に気持ちよくはないですね」
(山内さん)「じゃあストレートが一番の」
(栗林投手)「僕コントロール悪いんで、見逃しとれたってことは、そこに、投げられたっていうのでストレートでしっかり取ってくれたときが一番気持ちいいかなって思います」
(山内さん)「僕は栗林投手のピッチングで一番気持ちいいのはカーブの空振り。相手打者が『え?カーブ?』みたいな感じで空振りするときもある」
(栗林投手)「そういってもらえると今年は意識して」
(山内さん)「カーブいいよ」

続いて二つ目の変化は昨シーズンの経験があったからこその新たなルーティーン。

(山内さん)「去年リリーフも経験しました。それ生きているところってありますか?」
(栗林投手)「肩を作る時間が短くなったというか、リリーフだと7回に行くかもしれないし、延長で行くかもしれないですし、どこでいくかわからない状態で言われたら、すぐ作らないといけないのが、リリーフだと思うんですけど、そういう意味では自分のルーティーンも減って」

以前はブルペンでのルーティーンについて…

【以前の放送・2022年3月】
(カープOB・達川光男さん)「ブルペンはだいたい何球くらいで仕上げる?」
(栗林投手)「15球です。外まっすぐ・外まっすぐ・カーブ・外カットボール・外まっすぐ・内まっすぐ・内カットボール・フォーク・内まっすぐ・外まっすぐ。最後、まっすぐ・カーブ・カットボール・フォーク・まっすぐ」

(山内さん)「球数とか変わってきたってことですか?」
(栗林投手)「球数も少なくなりましたし」
(山内さん)「何球くらい?」
(栗林投手)「今は11球くらい。前は15球。それも投げなくていいかなって思うくらいなので、11球なくても。前までは15球投げなきゃって思っていたのが、今はマックス11球で、投げられなくてもいいかなくらいで」

そして、3つ目の変化に行く前に…こちらも栗林投手の『変化』に気づいたある人からの情報が…

(山内さん)「ある人からタレコミがあったんですけど、言ってもいいですか?」
(栗林投手)「全然いいですけど、ありますかね?」

【森下 暢仁 投手】
「(栗林投手が)一年目と同じことをしようとしてる感じ、一年目がよかったんで、一年目どうやってたかなって思い出すと、(1年目は短髪で新人王)、一年目の終わりにパーマかけたんですけど(2年目)、今年は短くして、坊主伸びたてみたいな」

(栗林投手)「余分なこと言ってくれましたね」
(山内さん)「一年目のようなところに帰りたいという気持ちがあったんですか?」
(栗林投手)「僕じゃないですけど、妻にそう言われて『パーマも全然いいけど去年結果出てないし、初心に帰って短髪にしたらいいんじゃない?』って。自分もげん担ぐタイプなので、『わかりました』と。案の定、結果出てるので、妻のおかげでもありますし、だから、これからパーマかけにくくなりましたけど(笑)」

そして最後の変化は…

(栗林投手)「今年はすごく軸足=右足の”ため”を長くしてるので、昨年の途中から左足を大きく上げるように戻したんですけど、そのときは、とにかく足あげて投げる。強い球を投げたい。という感じだったんですけど、逆に右足の”ため”の時間を長くして、右足で立ってる時間を長くすることによってバランスよく投げたいっていう、そこが一番去年との違いかなと思います。右足にうまく体重が乗ると体がきれいに回転できるので、きれいな球がいくんですけど右足の”ため”がうまくできないと前に体重が流れちゃうんで、体が倒れてシュート回転しちゃうっていう負の連鎖になるので、だからこそ右足にしっかり”ため”が乗ったときは何も考えなくてもストライクゾーンに強い球がいくので、いいですけど、マウンド状況でうまくいかないときは毎球毎球、探りながら投げちゃうというのが、今年は多いかなと思います」
(山内さん)「足を”ためる“というのは足をあげて立ったときに”たまる“?あげている途中に”たまる“?」
(栗林投手)「足をマックスにあげたところで」
(山内さん)「最初にしっかり”ため”たい?足あげたときにかかとにかかりすぎます?」
(栗林投手)「いや、でも僕の場合は9回に投げるのでマウンドが掘れてることが多くて、つま先が掘れていることもありますし、逆に先発ピッチャーがプレートの真ん中から投げるとかかとが掘れていることがあるので、日によって違う。だからブルペンだけは、それを意識して、自分は土踏まずに(体重を)乗せようとしているので、それを意識してやるようにしてマウンドにいったらマウンドで変わってくるので」
(山内さん)「投球練習をした感じで」

プロ4年目。
指揮官は信頼して「栗林」の名前を告げる。変化し続ける守護神が去年の悔しさをボールにこめます。

(山内さん)「今年また新たに守護神に指名されましたけど、どんなポジションですか?」
(栗林投手)「やりがいもすごく感じますし、責任もすごく感じるので、やらなきゃいけないなって気持ちが昨年より強いですし、何とか一年間結果出して、チームにもファンのみなさんにも笑顔でいてもらいたいなと思いますし、力になれるように頑張っていきたいなと思います」

※ 権利の関係で動画映像を一部カットしています。

テレビ新広島
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