歴史的な円安の影響が身近な所で広がっています。

エサ代や燃料費の高騰が続く中での円安。

酪農家は今、厳しい経営を強いられています。

福岡県宇美町の宇美小学校では、9日、乳業メーカーによる出前授業が開かれました。

牛乳が苦手な子供を減らそうと企画された今回の取り組み。

牛乳の栄養を分かりやすく伝えることで、子供の間で進む“牛乳離れ”を防ごうとしています。

◆児童
「タンパク質とかカルシウムが入っているのが分かりました。次から“お母さん牛”に感謝して食べます」

◆児童
「牛乳苦手だから、『頑張るぞ!』という気持ちで飲みます」

一方、福岡県内でも有数の規模を持つ農場「永田ブルースカイファーム」。

Q.どんなエサをあげているんですか?
◆永田ブルースカイファーム 永田弘さん
「配合飼料と米粒が付いたままの穀草。焼酎会社が近くにあるんですけど、そこから出た廃液を混ぜて」

Q.焼酎が入っているんですか?
◆永田ブルースカイファーム 永田弘さん
「焼酎が入ってます。彼女たちは毎日いい気分で」

300頭以上の乳牛を飼育していて、生乳の生産量は、年間で約3300トンに及びます。

◆永田ブルースカイファーム 永田弘さん
「我々は“ホテルマン”。ホテルに来た時に快適に過ごしていただくように、(乳牛にも)ここをホテルだと思って快適に過ごしてもらうことで、生産性が上がる」

一方で「牛乳離れ」が加速する中、牛乳の生産を守る酪農家の現状はどうなのでしょうか?

◆永田ブルースカイファーム 永田弘さん
「ここ2、3年は厳しい状況になっているので離農や廃業される方が増えている」

福岡県内では、2022年度に18軒、2023年度に10軒の酪農農家が廃業に追い込まれました。

こうした状況は「酪農危機」と呼ばれ、コロナ禍による「乳製品の需要の減少」とロシアのウクライナ侵攻など、国際情勢の変化による「飼料価格の高騰」が主な要因ですが、これに歴史的な円安も加わり、酪農を取り巻く状況はますます悪化しているといいます。

◆永田ブルースカイファーム 永田弘さん
「経営を圧迫している要因が『配合飼料』。北米で調達した原材料で作るエサ。北米産のトウモロコシとオーストラリア産の綿実、あとは南米産の大豆だったり」

さらに、飼料だけでなく、牧草の多くも輸入に頼らざるを得ないのが現状で、円安の影響は計り知れないと嘆きます。

◆永田ブルースカイファーム 永田弘さん
「年間の全てのエサ代が9000万から1億ぐらいだったんです。去年は1億3000万円ぐらい。歯を食いしばって頑張っていくしかない。牛乳を応援してくれる消費者のために頑張っていきたい」

テレビ西日本
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