仙台市は3年連続で待機児童がゼロになったと発表しました。一方で、希望の施設に入ることができないいわゆる「隠れ待機児童」は、ここ数年、500人前後で推移しています。当事者の声を聞きました。

仙台市若林区六丁の目にある企業主導型の保育園、「ほしぞら保育園」です。現在、0歳から2歳までの18人を受け入れています。受け入れ定員に余裕はありません。

働く保護者にとって保育園は“必要不可欠”な場所。仙台市は、5月7日、保育施設に入れない待機児童について、3年連続でゼロになったと発表。

2016年に、「保育園落ちた、日本死ね」と題した匿名のブログをきっかけに、待機児童を取り巻く環境は、年々、改善されてきました。

一方、現場の受け止めは…。

ほしぞら幼稚園 木村由希園長
「本当にいくつもの園を見学に行って、空きがない状態で困っていたりとか、ママの求めるニーズに合う保育園がなかなか見つけられなくて、困っている方がすごく多いなという印象があります」

希望する保育施設に入れないいわゆる「隠れ待機児童」の存在です。仙台市によりますと、4月1日時点で、市内に540人いて、ここ数年、横ばいで推移しています。

2歳1か月の母親
「職場の近くで探していて、最初に希望していたところは埋まっちゃっていて、それですぐにここに電話して入れた。ネットで検索して探してました何件かずっと」

1歳9か月の母親
「非常勤の働き方で預かっていただけるところがなかなか見つからなくて、仕事始めるのも難しいかなと思っていたところで、ここで見つかった」

仙台市によりますと、4月1日時点で、市内の保育施設は、去年より7カ所多い428施設に。定員に達しておらず“空き”となっている保育施設の受け入れ人数は、去年よりも186人多い1661人となっていて、保育の需要と供給のミスマッチが生じています。

ほしぞら幼稚園 木村由希園長
「心も頭の中もいっぱいいっぱいで、本当に大変でした。情報を得るのが大変ということをよく聞くので、自治体のサポートを強化していただいて、自分のお子さんにとっていい保育園選びをしていけるような橋渡しをしていただければ」

誰もが暮らしやすい社会に。就労形態の多様化や家族の在り方など、社会の変化に応じた保育環境の実現が求められています。

仙台放送
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