この冬、秋田県内は記録的な暖冬となった。暖冬は全国的な傾向で、野菜の生育などに影響を及ぼしている。秋田県内でこれから旬を迎える春の味覚に変化はあるのか。秋田市の市場を取材した。

「ひと玉2500円は経験がない」

秋田県内の2024年1月と2月の平均気温を平年値と比べてみると、2024年は平年よりも2度以上高かった。降雪量も全ての観測地点で平年を下回り、雪が少なかったことがわかる。

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秋田のみならず、全国的に暖かい冬だった今シーズン。秋田の台所・秋田市民市場を訪れてみると、身近な野菜が軒並み値上がりしていた。

全国的な暖冬傾向で値段が上がっているのがハクサイだ。「大沢青果」ではひと玉900円だったが、最高で2500円まで値段が上がったという。暖冬で生育が早まって春物が早く出荷されたため、入荷量が少なく、値段が上がっているのだという(4月3日現在)。

「ひと玉2500円は経験がない」と話すのは、大沢青果の店主・大沢光春さん。2024年は暖冬に加え、3月は低温や日照不足が続いたため、品質にも影響が出た。

品質にも影響が…
品質にも影響が…

大沢青果・大沢光春店主:
ハクサイの葉が巻いていない(大きくなっていない)から、風が吹いたり、雨が降ったりすると砂が中に入ってくる。この品質のときが一番難儀した。いちいち洗うとなると飲食関係者もハクサイを使えない

暖冬で出荷が早まった野菜たち

暖冬で全国的に野菜の生育が進み、前倒しで出荷されるものが多くなったため、本来ならば4月初旬に入荷のピークを迎える春物野菜が少なくなり値段が上昇。3月25日からの1週間で、ハクサイは平年の2倍以上、キャベツは平年の4割近く値段が上がっている。

秋田県内ではこれから山菜が旬を迎える。秋田市民市場の藤原商店では、さまざまな種類の山菜を県内外に発送しているが、2024年は暖冬のため出荷が早まった。

藤原商店・藤原聖山店主:
データを見てみたら1月20日には発送していた。1カ月以上は早く出た。1月中に出荷することは今までなかった

山菜の質は上々で、2024年は例年よりも長く春の旬の味を楽しめそうだ。

4月後半には平年並みの値段に戻るか

藤原商店では自家製の漬物も販売しているが、定番商品の一つ、ハクサイの漬物が並べられていなかった。

定番商品であるハクサイの漬物の姿はなかった
定番商品であるハクサイの漬物の姿はなかった

藤原商店・藤原聖山店主:
ハクサイなんかは今の段階では非常に高い。今までの倍以上、もっとするかもしれない。手が出ない。そういうときは私は無理して買わないが、安ければすぐに漬けて、客に提供したいという気持ちはある

4月後半には平年並みに戻るか
4月後半には平年並みに戻るか

ハクサイやキャベツ、ニンジン、タマネギなどの価格は、4月前半は平年を上回り、4月後半には平年並みに戻る見込みで、暖冬による野菜の高騰はもう少し続きそうだ。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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